アイディア満載 創作コンテスト
韓国農水産物流公社などが共催
桜の開花を目前にした17日、韓国農水産物流公社東京aTセンター(李鍾堅支社長)、MOMO東京パイロットクラブ(相馬順子会長)共催のチャリティー韓国料理コンテスト「創作キムチ花見弁当」が東京・渋谷区の服部栄養専門学校で開かれた。2回目の共催となったコンテストでは、同クラブの会員ら120人がキムチをテーマにした弁当作りでアイディアを競った。
季節感を多彩に
韓日の食材駆使し20チームが競う
コンテスト直前、参加者たちを前に服部流家元、服部栄養料理研究会会長の服部津貴子さんはヘルシートークで、キムチに欠かせないニンニクや唐辛子、生姜の成分などについて説明した後、「一緒に摂ることによっての相乗効果がある。韓国の人に歯と目のいい人が多いのは、こういう食材を食べているからだと思う」と語った。
また同校教授で33年にわたり韓国料理の指導をしている在日韓国人の愼月順さんによる海鮮キムチチゲ、3色ナムル、白菜キムチのデモンストレーションなども行われた。
1チーム6人の20チームが競うコンテストは、肉類、魚介類、野菜を含む韓日の食材40品から10品までを選び、基本食材のキムチとご飯を合わせて、作品の弁当を作るというもの。参加者たちには当日まで花見弁当を作ることは知らされていなかったが、特に戸惑った様子は見られなかった。
調理時間は約30分。限られた時間内に数種類の料理を完成させなければならないため、事前に行われたチームごとの相談タイムは貴重な場となった。各調理台では野菜を茹でたり、肉を焼いたりと、慌てた様子も見られず手際よく作業を進めていたなかで、予定していた食材が手に入らず苦戦するチームもあった。
女性参加者に交じって調理していた初参加の小川祐一さん(78)は、「料理作りはリーダーがしっかりしているとパチッと決まりますよ」と、楽しそう。また、「キムチはいつも冷蔵庫にある」、「母がキムチと合わせた料理を作ってくれる」と、キムチが身近な食材になっている様子が伝わってきた。
グランプリ韓味キムチ賞に輝いたのは、松村浩平さん(35)らの「上野の西郷サンもあっと驚く花見弁当」。豚肉スライス、菜の花、サンチュなどを用い弁当で、重要な「食べやすさ、彩り、バランス」がよく、鮮やかで季節感もあったことが評価された。松村さんは「キムチを厚揚げに挟んでバリエーションをつけた。アイディアで勝負した」と話す。
また韓美賞は「ソウルで春らんまん」、韓流賞は「韓国とドイツと日本 仲良しインターナショナル弁当」。特別賞の資生堂賞は「春の陽気にさそわれて」になった。
服部同会会長は総評で「受賞した4点は彩りや季節感がとてもよく、今回一番重要なキムチの使い方がとても素晴らしかった」と述べた。
■□
日本には53クラブ
パイロットインターナショナル 米国に本部を置く国際的な民間ボランティア団体。1921年に米国ジョージア州メイコン市で働く女性40人で設立され、地域社会に密着した奉仕活動をするクラブが結成され「パイロットクラブ」と名づけられた。船の水先案内人にちなんだ名称で「よりよい社会づくり、ひいては世界平和の水先案内人になろう」との理想を掲げ活動を行っている。日本では1951年に「東京パイロットクラブ」が設立。現在、北海道から沖縄まで53のクラブ、約1000人の会員が、脳関連障害者、身体障害者への支援など、地域に密着した奉仕活動をしている。
|
上野の西郷サンもあっと驚く花見弁当 豚肉スライス、鶏もも肉、えび、厚揚げ、パプリカ、万能ねぎ、菜の花、サンチュ、生しいたけ、卵 キムチを厚揚げに挟んで |
|
ソウルで春らんまん 豚挽き肉、むきえび、モンゴウイカ、ピーマン、万能ねぎ、さつま芋、ふき、菜の花、サンチュ、オレンジ キムチ入りごはんが爽やか |
|
韓国とドイツと日本 仲良しインターナショナル弁当 豚挽き肉、たら、パプリカ、長ねぎ、かぼちゃ、サニーレタス、グリーンピース、焼き海苔、卵、いちご キムチと他の具を使った手巻き |
(2007.3.28 民団新聞)