思いっ切り 闘志も友情も
「第1回オリニ・フットサル全国大会」
民団創団60周年事業の一環として開催された中央団長杯争奪戦「第1回オリニフットサル全国大会」には、東京(2チーム)、愛知(4チーム)、三重(2チーム)、京都(1チーム)、大阪(5チーム)、中国地区(1チーム)、九州(1チーム)から総勢16チームが参加した。当日は3月にしては肌寒く小雨に見舞われたが、ドーム内は、オリニたちの元気な掛け声と父兄たちの応援で熱気に包まれた。
今回初めての全国大会開催とあって、オリニたちの反応は様々。三重ファイティンズチームのキャプテン・崔勝臣さん(12)は「サッカーは小学3年から。他県との交流もできるし、試合はまた開いてほしい」。大阪の建国コブッソンチームのキャプテン・李昌烈さん(12)は「ポジションはフォワード。こういった試合は初めてで緊張している」と少し強張った表情を見せた。
また民団京都選抜チームのキャプテン・称宜田力人さん(12)は「今日は勝つ気持ちで、一生懸命がんばる」と胸を張った。四日市フェオリサッカー少年団チームは女子が2人参加。朴珊玉さん(10)は「楽しかった。来年もしてほしい」、李錦仙さん(11)も「試合は負けたけど、おもしろかった」と無邪気に笑った。
試合は、午前に予選リーグが行われ、4ブロックに分かれて熱戦が繰り広げられた。観客席では、アボジ、オモニたちがオリニたちの戦いを見守りながら、「行けー!シュート!」、「やったー!」と声高々に応援していた。
来年も! さらに大きく!
休憩を挟んだあと開会式が行われ、鄭進民団中央本部団長が「このような大会を開催したことは次世代の育成事業であり、高く評価するとともに継続していくことを期待している」と激励した。また朴会長も「オリニたちがスポーツを通じて交流する姿は、一緒に参加する父兄の感動へとつながり、親子でその感動を体験することで在日同胞社会の友好の輪はさらに広がる」とあいさつした。
名古屋韓国学校の李俊一さんと金友利実さんの力強い選手宣誓のあと、決勝トーナメントが行われた。予選リーグとは違い、勝ち上がってきた各ブロック上位同士の戦いとあって、ボールの足さばきや素早いパスに、観客席からは大きな拍手が送られた。試合結果は、大阪のイーリス生野FCが5試合を勝ち抜き、みごと優勝を果たした。また2位に生野FC、3位には東小路FCと上位3チームは大阪チームが占めた。梁東一民団愛知本部団長から中央団長杯を手渡されたイーリス生野FCのキャプテン・高翔平さん(12)は「よかった。交流する意味でも毎年開いてほしい」と金色に輝く優勝杯をうれしそうに抱きしめた。
愛知猛虎チームキャプテン・朴将允さん(12)は「サッカーは僕の人生そのもの。今年中学だから、大会参加は最初で最後。後輩たちのためにも来年も続けてほしい」と話し、李錫昊さん(12)も「勝ち負けではなく、他県の子たちと交流できたことがよかった」と満足気に語った。
また、1カ月という短期間で急きょ編成されたが、4位の成績を残した民団中国地区選抜チームの濱岡優太郎さん(11)は「今日は上手な人のプレーもみることができ、とても楽しかった」と喜んでいた。
父兄たちからは「こういった交流は、もっと早くから始めてほしかった」、「子どもたちの喜ぶ姿がうれしい」、「これこそ、次世代育成につながる。これからも是非、継続してほしい」といった声が聞かれた。
大会には、主管の在日大韓体育会中北本部の鄭正樹会長はじめ、民団三重本部の殷鍾秀団長、黒田憲吾四日市助役、各民団関係者ら多数が応援に駆けつけた。その他の試合結果は次の通り。
5位九州選抜、6位建国コブッソン、7位愛知猛虎、8位トンヘ(愛知)、9位四日市フェオリFC、10位民団京都選抜、11位三重ファイティンズ、12位ムグンファJr(東京)、13位建国チョンソンデ、14位名古屋韓国学校、15位へバラギ(愛知)、16位東京韓国学校。なお、参加賞として韓国サッカー協会の趙栄増技術委員から同協会公認Tシャツが全員に贈られた。
(写真提供=オールスポーツコミュニティ)
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<祝 辞>在日韓国民団中央本部 団長 鄭 進
昨年創立60周年を迎えた民団は、重点事業としてとりわけ重視しているのが次世代育成です。オリニ・ソウルジャンボリーの成果を活かして、夏季の臨海・林間学校やクリスマス会を充実化させ、中・高・大の生徒・学生たちの祖国研修も拡大する所存です。
韓国国体への在日同胞選手の発掘と派遣に実績を積み、各種スポーツを通じて青少年の健全育成に取り組んでいる体育会が、「オリニ・フットサル全国大会」をここに開催されましたことは、民団の重点事業に合致するものとしても高く評価するものです。
全国から参加された各チームの選手・役員、そして応援の家族のみなさまに、心より慰労の言葉を贈るとともに、この大会が今後さらに拡充して、継続されるよう大きな期待を寄せるものです。
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<主催辞>在日大韓体育会中央本部 会長 朴安淳
W杯大会で韓国が大健闘を見せたことによって、在日同胞社会のサッカー熱は高まりを見せました。本会ではこうした空気に応えるため、各地域でさまざまな大会を開催してきました。
とくに、次世代を担う4・5世のオリニたちがスポーツを通じて楽しく交流することは、一緒に参加する父兄の感動をも呼び、親子で感動を共有することで、在日同胞社会の友好の輪はさらに広がりを見せるでしょう。
本大会はオリニたちがスポーツを通じて、同胞の仲間と触れ合い、祖国韓国と在日同胞社会の絆を大切にしながら、民族的な感性を育む意義深い事業であると確信しております。また本会は、優秀選手の発掘と育成をも視野に入れ、韓国代表選手を夢見るオリニたちを輩出し、全力でサポートしたいと思っています。
審判からの注意を聞き、ゲームに臨む選手たち
大会当日、朝5時に岡山を出発して大会に参加した民団中国地区選抜チーム。
堂々の第4位入賞を果たした
女の子も男の子も健闘をたたえ合った
「イギョラー」と観客席から熱心に声援を送るオモニたち
豪快なシュートを放つ、東京のムグンファジュニアSC。
毎週日曜日、東京韓国学校のグラウンドで練習を重ねてきたかいがあった
民団中央団長杯を伝達する梁東一民団愛知県本部団長
民団中央団長杯を掲げる優勝チーム、イーリス生野FCの選手たち
(2007.4.4 民団新聞)