掲載日 : [2007-04-04] 照会数 : 9611
<能登半島地震>全被災同胞宅を慰問
[ 地震の激しさを手ぶりを交えて鄭団長に説明する被災同胞 ]
鄭団長も現地へ 民団、組織的に支援
【石川】3月25日に発生した能登半島地震は、同地域の同胞45世帯中43世帯に家屋の一部破損と家財の破損をもたらした。民団石川県本部の金次郎団長ら幹部は被災全世帯を訪問し、同胞らを慰問した。
中央本部の鄭進団長は3月30日、金団長らとともに石川県庁を訪ね、杉本勇寿副知事に義援金100万円を伝達した。杉本副知事は「地震対策で谷本正憲知事は外出しているが、東京からお越しいただき恐縮している。民団の誠意のこもった義援金は、被災県民のために大事に使わせていただく」とお礼を述べた。
鄭団長らはその後、被災同胞宅4軒を慰問し、慰問金などを手渡した。同胞らは恐怖と民団への感謝を口にした。地頭町の鄭孝男議長宅は屋根の一部が崩れ落ち、ブルーシートがかけられている。「大きな縦揺れの後に横揺れが起きた。家財道具が一カ所に移動したのを見て恐怖を覚えた」と語った。
最も被害が大きかった穴水町で焼肉店を経営する同胞女性は、「仕込みをしている最中だった。ガス爆発の恐怖が脳裏をよぎったが、足がすくんで目と鼻の先にあるガスの元栓までなかなか行くことができなかった。12秒程度の揺れだったが、15分くらいに感じられた」。韓国から日本人に嫁いだ女性は、「私みたいな者の家まで民団の団長が来てくれて大変ありがたい」。輪島在住の80代のハラボジは、「わしもとうとう死ぬ時が来たと思った。家から出ようとしたが、足がまったくいうことをきかず、あわててトイレに駆け込んだ」と恐怖体験を語った。
被災者支援へ 義援金を募る
鄭団長は「団員宅に犠牲者がなかったことが不幸中の幸いだが、家の柱が真っ二つに折れたり、鉄筋が曲がっているなど、大きな余震があれば倒壊するのではと思える家もある」と被災地同胞に注意を喚起するとともに、民団の組織的支援の必要性を強調した。
中央本部は300万円の義援金を募ることを決め、3月28日付公文で全国の本部、傘下団体に指示した。送金先の口座は「あすか信用組合恵比寿支店普通口座052481、民団義援金 鄭進(チョン ジン)」。個人支援、現金書留での送金も受け付ける。
(2007.4.4 民団新聞)