掲載日 : [2007-06-06] 照会数 : 33481
めきめき3乗効果 「英語」韓国語と日本語で授業
[ 韓国語と日本語で行う英語の授業 ]
建国中
【大阪】白頭学院建国中学校(大阪市住吉区)で総合学習の時間に行われている多言語授業「トリリンガルコース」が成果を上げている。語学の授業は経験豊かな教師陣が英語と韓国語、日本語で指導するというもの。相乗効果で、韓国語も英語も学校側の設定目標以上の検定合格実績を上げているという。他校からの問い合わせ、授業見学の申し込みが絶えない。
「トリリンガルコース」 外部の視察絶えず
トリリンガルコースで学ぶ生徒は現在、2年生26人、3年生25人。授業は週3回あり、英語を2時間、韓国語を1時間それぞれ学ぶ。ただし、英語の時間でも英語だけでなく、韓国語と日本語の説明が入るのが最大の特徴だ。
ある日の英語の授業をのぞいてみた。be動詞の説明時には「beどうし」「beドンサ」と日本語と韓国語が入り交じる。金明枝先生は「英語と韓国語を同時に学ぶことで、生徒たちはその意味あいを深く取り入れることができる」と相乗効果を強調している。確かに、生徒たちの表情を見るかぎり、なんの違和感もなく授業にとけ込んでいるのは明らかだった。
もう一つの特徴は学年の壁を取り払い、実力に合わせた級を編成していること。ここでは頑張れば頑張るほど、上級に行けるとあってみな大張り切り。英語は英語検定、韓国語は韓国語能力検定試験の合格を目指す。
04年度の英語検定では受験者20人中、高校卒業レベルの2級に1人、高校平均レベルの準2級に11人が合格した。05年度は15人中3人が2級、3人が準2級をクリアしている。受験者の65%が最終的には目標の級に合格している。
また、韓国語能力検定はまず、日常会話を駆使できるレベルの3級合格を目指している。3級に合格して中上級レベルの4級や上級レベルの5級にチャレンジする生徒も多い。すでに中学3年生の中から最難関の6級合格者も出たほどだ。
生徒たちに将来の夢を聞いてみた。弁護士、教師、外交官……とよどみなく答えていた。それぞれしっかりした目標をもっていた。トリリンガルコースを卒業して建国高校に進学した李太喜君は「このコースに入って英検、韓国語検定ともに2級に合格できた。リスニングの力もついた。このコースを選んでほんとうによかった」と話している。
李広緑教務主任は「トリリンガルコースを始めて今年で6年目。スタート当初は生徒たちにどれだけのことをできるか不安だったが、検定受験者は年々増えており、驚いている。これからもっと授業の時間数を増やし高い目標を掲げて貪欲に取り組んでいきたい」と意気込んでいる。
(2007.6.6 民団新聞)