掲載日 : [2007-06-13] 照会数 : 10554
2014年冬季五輪 「平昌開催」に大きく前進
[ 平昌の竜平スキー場で世界27カ国から参加して開催されたインタースキー(07年1月) ]
IOC報告書が高い評価…在日体育会の期待も熱く
国際オリンピック委員会(IOC)がこのほどまとめた「2014年冬季五輪の開催立候補地評価」によると、平昌(江原道)が「おおむね質の高い計画」と全体的に高い評価を受け、7月5日に開催されるIOC総会での最終決定に向け大きく前進した。実現すれば、日本・長野に次いでアジアで2番目の開催となり、在日同胞の期待も熱い。
7月5日総会で最終決定
14年冬季五輪の開催地候補として平昌、ザルツブルク(オーストリア)、ソチ(ロシア)の3都市が最終的に残った。IOCの評価委員会は今年2月から3月にかけてこれら3都市を訪れ、▽競技施設▽交通▽宿泊▽財政など、開催能力や都市のインフラについて調査を行い、報告書をまとめた。
それによると、ザルツブルクは、冬季スポーツの伝統があるものの、宿泊施設を結ぶ交通網や財政面が懸念され、開催計画書も綿密さに欠けると評価された。
ソチは、ロシア政府が積極的な支援を表明していることから財政面で高く評価されたが、競技施設を結ぶ交通網や宿泊施設の不足、建設計画が複雑であるなどが難点として指摘された。
一方、平昌の場合は、「運営予算は詳細で実行可能と判断する」と評価され、これといったマイナス点はなかったことから、冬季五輪開催に向けて大きく前進したと見られる。
開催地は、7月5日にグアテマラで開かれるIOC総会の投票(IOC委員111人のうち候補都市の委員6人を除いた105人が参加)で決まる。この評価報告書を参考にするほか、開催地の大陸間のバランスなど政治的判断も考慮される。
この点、平昌は、▽韓半島の平和と安定▽アジアにおける冬季スポーツの拡大など、オリンピック開催にともなうメリットもアピールしている。
平昌は、2010年の冬季五輪開催地としても立候補したが、数票差でカナダのバンクーバーに開催地を譲ったいきさつがある。2回目の挑戦ということもあって、すでに準備が整っている部分が多く、開催計画も綿密だ。
報告書とは別にIOCが3都市の住民と該当国家を対象に行なったアンケート調査でも、平昌が最高の支持率を得た。招致については、平昌住民の91%、韓国民全体の83%が賛成し、ソチ住民の79%、ロシア全体の80%をそれぞれ上回った。半面、ザルツブルグは42%、オーストリア全体では61%の賛成率にすぎなかった。
在日本大韓体育会の朴安淳会長は「14年冬季五輪大会の平昌誘致には日本側も応援しており、在日としてぜひ実現できるよう支援したい。優秀な在日同胞選手も多く、祖国の代表になれる日を楽しみにしている」と胸をふくらませている。
2011年の大邱・世界陸上選手権、14年の仁川・アジア大会の開催がすでに決定したこともあり、韓国民の間で14年冬季五輪誘致への期待が日増しに高まっている。
(2007.6.13 民団新聞)