掲載日 : [2007-06-27] 照会数 : 7777
金剛学園新校舎が完成
[ 完成した新校舎を見回る金剛学園の理事、教員ら ]
【大阪】大阪市南港コスモスクエアの敷地で昨年7月から始まった学校法人金剛学園(金漢翊理事長、韓京汶校長)の校舎新築工事がこのほど完了した。18日には金理事長をはじめとする学校関係者が視察に訪れ、安全面を中心に最終チェックを行った。建物は一部点検修理を加え、7月3日には引き渡される予定。2学期からの授業は新校舎で行われる。
来月3日に引き渡し
安全面を最終チェック
正門右手に並ぶ普通教室はすべて南向きのため窓からは明るい日差しが入る。体育館を含め建物はすべて北側に寄せ、150㍍トラックと50㍍走路、およびテニスコート2面を備える広々としたグラウンドを確保した。見学に訪れたある保護者は「これでやっと子どもたちが転ばないで走ることができる」とほっとした表情を浮かべていた。
敷地面積は8703平方㍍で、現校舎の敷地と比べると約2・7倍の広さ。建物は4階建てのRC造り。1階が研究室や生徒指導室など職員関係用、2階に小学生の普通教室6室と職員室、3階は中学生の普通教室3室と中・高校職員室、4階が高等学校と、機能別による分かりやすいフロア構成。各階には分班室を設けており、能力別のクラス編成が可能だ。
2階から3階は吹き抜けになっていたが、金理事長が床を張るよう工事関係者に指示した。ここは舞踊の練習など多目的に使えるオープンスペースにするという。このほか教室内の手すりの高さや窓の開閉ぐあいなど、子どもたちの安全面を心配した保護者からいくつか手直しを求める声が出た。
韓校長は「分班教室をおおいに活用して能力別クラスを編成し、授業レベルをさらにアップしていきたい。図書室も広くなったので書籍の寄贈も呼びかけていきたい。新校舎の完成を契機にこれまで以上の教育プログラムを開発していきたい」と意欲を語っていた。
また、ある教師は「移転問題が浮上してから学校運営が困難な一時期もあったが教師とPTA、校友会が団結して乗り越え、ようやくここまで来ることができた」と感無量の表情だった。
金剛学園は1946年4月、西成朝鮮人学校として大阪市西成区梅南通に開校した。97年以降、大阪市の都市計画道路の事業許可に伴って学園の小学校校舎全体が収用されることになったため、市との話し合いを重ねながら06年、市から公共補償を得て立ち退くことを決めた。
近年は「21世紀に活躍する国際人を育成する」を標語に韓国語と英語、日本語などの言語とIT教育に力を入れている。開校以来の卒業生は5000人を超す。新校舎の所在地は大阪市住之江区南港北2‐6‐10。
(2007.6.27 民団新聞)