掲載日 : [2007-08-29] 照会数 : 9560
<光復節>北韓は核完全廃棄を 各地式典で促す
[ 中央記念式典で北韓核兵器の完全廃棄などを求めシュプレヒコールする参加者 ]
韓半島・東北アの平和定着へ
解放62周年を祝う光復節中央記念式典が15日、民団東京本部の主管により東京・日比谷公会堂で団員ら約2500人が参加して開かれた。参加者は、「北韓に対して核開発の中止および核兵器の廃棄を速やかに行動で示すことを促し、韓半島の非核化と平和定着に尽力する」「地域住民の権利であり、共生共栄の象徴である地方参政権獲得のために総力を結集する」−−などの決議文を満場一致で採択した。この日、全国各地で開かれた光復節記念行事で同様な決議が行われた。
地方参政権獲得に総力 決議文採択
李時香東京本部団長は開式辞で「今日は、世界に雄飛する祖国の発展を喜び韓国の国民であることを自負し、あわせて祖国の統一・繁栄を祈願する日である。ともに国慶日を祝いたい」と呼びかけた。
盧武鉉大統領は、国民と北側同胞および700万海外同胞に向けた「第62周年光復節慶祝辞」(柳明桓駐日大使代読)で「南北分断状況を克服して民族の新たな未来を切り開いていかなければならない」と強調、7年ぶりに開かれる南北首脳会談に臨む基本姿勢を明らかにした。
鄭進中央団長は慶祝辞で、第2次南北首脳会談開催発表と関連して、同会談を契機に北韓が核兵器を完全に廃棄し、韓半島と東北アジアに平和と安定をもたらすことを期待したいと表明した。
鄭中央団長は「われわれ在日同胞も北韓の核の完全破棄のために総力を」と呼びかけ、あわせて地域住民として日本人との共生社会実現のために「拉致問題の早期解決」を促した。
さらに、「民団は、一人でも多くの同胞を結集、同胞の生活と人権を尊重する健全な在日社会を形成するとともに、祖国の平和統一という真の光復を成就するのに寄与すべく、同胞皆さんと固く誓い合いたい」と決意をあらためて明らかにした。
続いて日本の各党代表など来賓があいさつ。日韓議員連盟の逢沢一郎幹事(自民党衆院議員)は「今日は62年前に日本の植民地支配から解放された、まことに意義深い日です。われわれ戦後世代も、その歴史をしっかりと胸に刻むことが重要です。今日、皆様方は日本社会になくてはならぬ貴重な存在です。歴史を直視して新しい歴史を作っていきたい」と表明。猪口邦子・自民党国際局長代理(衆院議員)も、民団が韓日友好強化の掛け橋の役割を果たしてきたことに敬意を表明、「日韓両国の友好関係の一層の発展と共通の未来のための各レベルでの交流に努める」ことを約束した。
民主党の白真勲・国際局副局長(参院議員)は参院選挙で民主党が勝ち、新しい人が多くなった。過去のこと、歴史を知らない人たちに在日のこと、両国の歴史について知らせていく。日本の国際化について他党の議員とも知恵を絞っていきたい」と強調。
公明党の山口那津男・政務調査会長代理(参院議員)は「日韓友好推進こそ東アジアの平和の鍵を握っている。掛け橋としての民団の活動に期待している。地方参政権獲得にさらに力を入れていく」と力説した。社民党の日森文尋・副幹事長(衆院議員)は「皆さんの地方参政権をなんとしてでも実現させたい。日本がどれだけ開かれた国家であるかのバロメーターでもある。共生社会をめざしてともに頑張っていきたい」と表明した
参加者は、決議文採択後、芸能公演などで楽しい時を過ごした。
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決議文
①われわれは、北韓に対して核開発の中止および核兵器の廃棄を速やかに行動で示すことを促し、韓半島の非核化と平和定着に尽力する。
②われわれは、脱北同胞を積極的に支援すると同時に、人道的な観点にのっとり拉致問題の早期解決に積極的に寄与する。
③われわれは、地域住民の権利であり、共生共栄の象徴である地方参政権獲得のために総力を結集する。
④われわれは、日本政府が国連規約人権委員会の勧告を速やかに受け入れ、永住韓国人を再入国許可制度の適用から免除することを強く求める。 ⑤われわれは、正しい歴史認識に立脚して韓日友好親善増進のために架橋的な役割を引き続き果たし、両国の共同繁栄のために積極的に貢献する。
(2007.8.29 民団新聞)