掲載日 : [2007-10-11] 照会数 : 6127
朝鮮通信使400周年 「江戸天下祭」彩る
[ 都心のビル街を華麗に練り歩く正使行列の一行 ]
[ 副使役を務める具滋源民団滋賀県本部団長 ]
再現行列に歓声、拍手
「江戸天下祭」(千代田区江戸天下祭実行委員会)に朝鮮通信使再現行列が加わり、山車・御輿の順行を先導する形で東京のど真ん中を練り歩いた。順行は9月29日、日比谷公園から丸ビルまでの約1・5㌔の区間で繰り広げられ、沿道の市民約6万5000人(主催者発表)の目を楽しませた。
「江戸天下祭」は多くの山車や神輿が繰り出して庶民を楽しませた江戸時代の祭り。江戸開府400年を記念して03年に復活した。今年は朝鮮通信使の初めての訪日から400周年を迎えることから、釜山の朝鮮通信使文化事業会(会長・許南植釜山市長)が千代田区に協力した。行列は吹奏楽隊を先頭に国書輿行列、正使行列、随行行列からなる総勢140人余り。皇居に通じる丸の内仲通りでは行列に加わったサムルノリの妙技がひときわ注目を集め、沿道からは雄叫びにも似た歓声とともに大きな感動の拍手が巻き起こった。
江戸木遣りを先頭に人力車、神田囃子、手古舞、連合町会高張提灯などが続いたが、観衆からは、「韓国のものがいちばんいい」という声が聞こえてきた。また、正使を務めた李在雄議員(朝鮮通信使国会議員連盟委員)には何人もの若い女性が携帯電話のカメラを向けていた。これに応えようと、同議員も片手を挙げてにっこり笑顔を見せた。
行列は日もとっぷり暮れようとするころ、観覧席が設けられた丸ビル前で大勢の見物人の拍手に迎えられた。ここでもサムルノリの演技に観客が最後まで拍手を惜しまなかった。この日の夜は、今回の記念事業に合わせて訪日した朝鮮通信使議員連盟(鄭義和会長)所属国会議員らを歓迎するレセプションが日比谷公園内の松本楼で開かれた。席上、主催者団体を代表して朝鮮通信使交流議員の会の河村建夫会長は、「江戸天下祭が盛り上がったのはひとえに朝鮮通信使のおかげ」と御礼の言葉を述べた。
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彦根城築城400年祭 民団滋賀もパレード
【滋賀】彦根市でも彦根城の築城400年祭と、朝鮮通信使の400周年を記念して朝鮮通信使行列が再現された。これは8日まで3日間にわたって開かれた「日韓交流フェスタ」(同実行委員会主催)の一環。民団滋賀県本部が婦人会とともに初参加した。
最終日の朝鮮通信使再現パレードでは、韓国・慶北大学の学生らが音楽隊を担当し、彦根鉄砲隊や赤鬼家臣団など総勢200人が市街から宗安寺まで約1㌔をパレードした。
正使には呉榮煥駐大阪韓国総領事が扮し、副使役は具滋源民団滋賀県本部団長が務めた。終着地の宗安寺では、正使と彦根藩井伊岳夫18代当主が「国書」を交換した。
宗安寺前に設けられた朝鮮通信使交流広場では、婦人会滋賀県本部(李敏子会長)が3日間、チヂミやトッポッキ、韓国物産品などを販売し、終日にぎわった。
7日には市内のホテルで「朝鮮通信使ゆかりのまち全国交流会ひこね大会」が開かれた。交流会では、仲尾宏京都造形芸術大学客員教授が「誠信・交隣−彦根の朝鮮通信使」と題して基調講演を行った。
(2007.10.10 民団新聞)