掲載日 : [2007-11-28] 照会数 : 6835
東アジアの繁栄めざす ASEAN首脳会議
[ ASEAN首脳会議に出席した(右から)福田康夫首相、盧武鉉大統領、温家宝首相 ]
韓日中、連携強化で合意
韓国が東南アジア諸国連合(ASEAN)とサービス市場を相互に開放する自由貿易協定(FTA)サービス協定を締結、日本も経済連携協定(EPA)を締結したのに続き、韓日中3カ国首脳はASEANと切り離した会談を推進することで合意した。また、シンガポールで20・21日開催されたASEAN首脳会議及び東アジアサミットでは、東アジア協力に関する第2共同声明を採択するなど、東アジアを取り巻く協力関係はこれまで以上に深まりそうだ。
今回のASEAN会議で注目されたのは、韓日中3カ国の良好な関係だった。以前の東アジア共同体像をめぐる綱引きは影を潜め、逆に全体の協調を進展させる役割を担った。
盧武鉉大統領と福田康夫首相、温家宝首相の韓日中首脳会議では、東アジア地域の平和と安定に向け3国間の協力を強めるため、ASEANと切り離した形で会談を開くことで合意した。このため3カ国外相会談を来年上期に日本で開くことを決め、3カ国首脳会談を定例化する見通しだ。
また、北韓の核問題解決に向けた緊密な連携を確認し、6者会談でまとめた10月の合意文書に基づき、寧辺にある3つの核施設の無能力化と核計画申告の年内履行が必要との立場でも一致した。
3カ国会談で摩擦が起きなかったのは、「靖国には行かない」と確約する福田首相の姿勢を評価し、歴史問題などを封印したためだ。韓日首脳会談でも、盧大統領が「韓日間の懸案が争点化しないよう努力が必要だ」と述べ、対話の重要性を強調した。
3カ国が議論すべき課題は多いが、まずは意思疎通を図る場を増やすことが重要だ。しっかりと話し合いができるようになり、協力関係を深められれば、地域全体の平和と繁栄に好影響を及ぼすからだ。将来の東アジア共同体創設にも弾みがつくだろうし、在日同胞が目指す共生・共栄の理念ともマッチすると期待される。
一方、韓日中とASEANの13カ国は、今後10年間の協力強化に向けた「東アジア協力に関する第2共同声明」を採択した。重点分野として▽政治・安全保障▽経済・金融▽エネルギー・環境など5分野を盛り込んだ。とりわけ経済・金融分野では、韓日中とASEANの枠組みが10年前の1997年のアジア金融危機で誕生したのを踏まえ、各国が外貨準備金を出し合い、通貨危機に陥った国に資金を供給する。
(2007.11.28 民団新聞)