掲載日 : [2007-12-21] 照会数 : 8604
<朝鮮通信使400周年>ゆかりの地にモニュメント
[ 碑の除幕には民団関係者も出席した(栃木・日光市)
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[ 宝泰寺の「平和常夜灯」 ]
市民が友好の誓い
朝鮮通信使の訪日400周年を記念、ゆかりの栃木県日光市と静岡市内に相次いで記念のモニュメントが完成した。韓日友好を祈念して有志が集まり、広く市民から募金を集めて建立にこぎつけた。
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客舘跡地に碑建立 日光市
【栃木】今市の日光杉並木公園には16日、「朝鮮通信使今市客館跡」碑が除幕した。ここは徳川家康を祀る東照宮と家光廟の大猷院の玄関口であり、近くには江戸幕府が通信使一行のために建てた臨時の宿泊所もあったことで知られる。
通信使は江戸時代の初期、3回にわたって東照宮と大猷院を訪れ、朝鮮式祭儀を行っている。幕府は通信使を迎えるにあたって、1万両をかけて豪華な宿泊のための客館を建設した。
その客館跡地を特定できる資料はないものの、説明板に「唐人小屋」という字名となって残されていた。このため、ユネスコ協会や民団栃木県本部の林宏団長が当時の今市市長に是正を求めたほど。これは通信使が往来した事実さえ忘れ去られようとしていたことを示すものだった。
危機感を覚えた地元市民は昨年、地元の行政と民団栃木県本部にも協力を呼びかけ、「朝鮮通信使今市客館跡碑建立実行委員会」を結成して募金を呼びかけてきた。建立式典には民団中央本部から韓在銀副団長が出席した。
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平和の願い常夜灯に 静岡市
【静岡】静岡市では朝鮮通信使が休憩所としていた葵区伝馬町の宝泰寺で15日、「平和常夜灯」の除幕式が行われた。
家康公の駿府城入城400周年を記念、同寺の檀家らが2月に通信使平和常夜灯建立委員会を立ち上げ、1口千円の募金を呼びかけていた。民団静岡県本部などでつくる実行委員会が、01年から通信使行列を再現するなど、友好の雰囲気づくりに寄与してきたことも建立へ追い風となった。
常夜灯は韓国栄州産の御影石を使用し、高さは2・5㍍。内部には2匹の獅子が鎮座し、寺の中央通路に設置された。関係者50人が出席した除幕式では、広島で採火された「原爆の火」がともされた。この火は、昼夜問わずともされ続け、韓日両国の友好と世界平和の願いを内外に発信していくという。
問い合わせは宝泰寺(℡054・251・1312)。