掲載日 : [2007-12-21] 照会数 : 7749
<民団大阪60周年記念>伝統文化ハンマダン
[ 公演後、舞台あいさつに立つ民団関係者ら ]
在阪芸術家が競演…観客1200人と一体
【大阪】大阪府内で活躍する韓国伝統文化の担い手たちが9日、市内で「韓国伝統文化マダン」合同公演を行った。出演者は在阪の芸術家11グループ・個人と民族学校2校の生徒たち合わせて95人にのぼった。民団大阪府本部(金漢翊団長)が創団60周年を記念して出演を呼びかけ、実現にこぎつけた。大阪の在日芸術家たちが一堂に会したのはこれが初めて。観客1200人に静かな感動を巻き起こした。
公演は約2時間。観客は若い芸術家たちを応援しようと随所で口笛を吹き、「チョッター」の合いの手を入れた。これに応えるかのように舞台では見応えのある舞踊、パンソリ、サムルノリなどプロフェッショナルな演技が次々に披露された。出演者たちからは次世代に韓国の伝統文化を伝承し、普及していかなければという意欲が感じられた。
オープニングは今年で開設13年目を迎える金姫玉韓国舞踊研究所による「太平舞」が務めた。「僧舞」を踊ったのは韓国に留学し、重要無形文化財の李梅芳さんに師事した在日3世の李綾子さんだった。同じく3世の安聖民さんは、ユーモアあふれるパンソリで会場の笑いを誘った。大阪市東住吉区で「大阪チャンゴ教室」を主宰している高庚範さんは、迫力あふれる打楽器を会場いっぱいに響かせた。
金剛学園小学校の児童たちは、愛らしい「扇の舞」で並みいるプロフェッショナルに負けない拍手を浴びていた。会場からは「かわいい」「きれい」といったため息さえ聞こえてきた。11月に韓国で開かれた世界サムルノリ大会で第1位にあたる「大統領賞」に輝いた建国中学・高校伝統芸術部は、この日が事実上の凱旋公演となった。観客席からは「ブラボー」の声援が続いた。
「大阪チャンゴ教室」の一員として出演した李龍鉉さんの初舞台を見た同夫人は「緊張しているようでしたが、楽器を叩いている姿は誇らしくて感動しました」と語っていた。李さんのオモニは、金剛学園のこどもたちの演技に「あんなに小さな子どもたちが、あれだけの演技をしている。感動で涙が出ました」と、目頭を押さえた。このほか「プロの人たちの演技を見せてもらって最高」「パンソリがいちばん印象に残った」という人もいた。
民団大阪府本部の金団長は「民団の創団60周年で大阪の町から韓国文化芸術を発信できた。民団が若い芸術家を育て、日本社会に広く知らせることで、韓日の友好親善を深めることができる。今後もこうした発表の機会を設けていくようにしたい」と抱負を語った。
(2007.12.20 民団新聞)