掲載日 : [2007-12-21] 照会数 : 9000
<平和統一フォーラム>北韓核問題中心に論議
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完全放棄が緊要
「日本の政治情勢と日朝関係の展望」をテーマに、民主平和統一諮問会議日本地域事務処が主管する第13期民主平和統一諮問会議「2007平和統一フォーラムin東京」が7日、東京・港区の韓国中央会館で諮問委員ら約250人が参加して開催された。
金祥根首席副議長の特別講演の後、李鍾元・立教大学教授による主題発表を受け、川村晃司・テレビ朝日報道局コメンテーターをコーディネーターに、末松義規・民主党衆議院議員、武貞秀士・防衛研究所統括研究官、李鍾元教授によるパネルディスカッションが行われた。
鄭進・日本地域副議長(民団中央本部団長)は開会辞で「私たちの大きな関心事は北韓核問題の解決と韓半島の恒久的な平和体制の構築だ」と強調、「東北アジアの平和体制の構築には韓半島と日本との関係進展が不可欠だ。有意義な討論の行われることを期待している」と述べた。
柳明桓駐日大使は祝辞で「民主的で平和的祖国統一のための具体的方案に関し虚心坦懐かつ真摯に討議する場になると信じている」と表明した。
10月の平壌での南北首脳会談に随行した金祥根首席副議長は特別講演で韓国の①南北和解・協力②南北連合③完全統一という3段階統一政策(民族共同体統一方案)に言及し、南北首脳会談の「成果」について、「2000年の第1回首脳会談による和解・協力段階から、完全な統一に向けて次の南北連合段階へと南北関係を前進させたことだ」と強調。「日本においても平統諮問委員が先頭に立ち、南北統一に向けて真剣に論議してほしい」と呼びかけた。
李教授は主題発表の中で、「北朝鮮核問題は外交的・包括的に解決するしかないという緩やかな合意が生まれつつある」と指摘。「核問題では、今年に入り大きな進展があった。米・朝が最終的不信感を残しながら相互に戦略的決断を促している状況にある。米国は北との関係改善意思を強く持っている。画期的転換へ北に決断が求められている」と分析した。
北韓の核開発について武貞統括研究官は「金正日(国防委員長)は統一をめざす以上核を放棄しない。核を持つことで米国が手出しできないようにする」と強調、「米国との平和協定締結と米国の中立化姿勢を引き出すためにプルトニウム型兵器は放棄するだろう。米朝関係はこれから相当改善され、よくなっていくだろう。その後で、高濃縮ウラン型の核兵器で核戦略を完成し、主体思想で韓国を統一してしまいたいというのが金正日のグランドデザインだろう」と持論を展開した。
衆議院拉致特別委員会筆頭理事を務める末松議員は「拉致問題で日本国民の対北朝鮮不信が高まっている」と指摘、「日本が制裁を解き、しっかりとした交流を行い国交正常化を推進するには、核問題の進展とあわせて、北朝鮮の指導者には、拉致問題で誠意ある形の絵姿を示すことが求められている」と力説した。
(2007.12.20 民団新聞)