掲載日 : [2008-01-30] 照会数 : 9902
<MINDAN文化賞授与式>在日の文化力向上に
[ 総評を行う李愚京・中央民族教育委員長 ]
確かな底辺拡大
在日に関する研究者や文化人を発掘すると同時に、古い写真や親孝行エッセイを通じて在日100年の歴史を現在から未来に継承することを目的とした「MINDAN文化賞」(民団中央本部主催、中央民族教育委員会主管)の授与式が26日、東京・港区の韓国中央会館で約200人が参加して行われた。受賞者は論文部門7人、詩歌部門(時調、三行詩、俳句、短歌、自由詩)18人、写真部門11人、孝道部門11人の合わせて47人。
論文・詩歌・写真・孝道…4部門47人が受賞
「MINDAN文化賞」は2004年から06年まで3年間実施された「民団孝道賞−親孝行エッセイコンテスト」を論文、詩歌、写真、孝道の4部門に拡大、発展させたもの。
鄭進民団中央本部団長は主催者あいさつで、受賞者を祝い、「各界各層の皆樣からの惜しみない支援と協力により、北は北海道から南は九州まで、401人の方から640点もの作品が集まった。在日同胞はもちろんのこと、本国や日本の方からの応募も少なからずあった」と紹介。「こうした予想を超えた底辺の広がりは、期待を超えた大きな成果」と評価するとともに多くの応募と支援に感謝の意を表明した。
駐日大使館の楊昌洙総領事は激励辞で受賞者に「文化賞制定の趣旨を踏まえ、わが民族および在日同胞社会の文化と歴史がすばらしい伝統として後世の同胞たちに継承され、さらにこうした努力が共生をめざす日本社会に肯定的な影響を与えるようにしてほしい」と期待を込めて呼びかけた。 写真、詩歌、論文、孝道部門の順で各賞が授与された。写真部門について呉徳洙審査委員(映画監督)、論文部門について朴一審査委員(大阪市立大学大学院教授)が講評し、詩歌部門では金時鐘(詩人)審査委員の講評が代読された。
受賞者らは「写真は在日韓人歴史資料館に役立てばと提供したもの。立派な賞をいただき大変ありがたく思っている」(写真部門最優秀賞の金泰鎮さん)、「なくなった父母から久しぶりにお小遣いをもらった感じがする」(孝道部門駐日大使特別賞の金升子さん)、「この賞を土台にして、審査委員の先生のように活躍できるように頑張りたい」(論文部門優秀賞の朴浩烈さん)とそれぞれ喜びや抱負を述べた。
中央民族教育委会の李愚京委員長は総評と閉会辞で、「今回の文化賞に国籍を問わず多くの方が応募されたことに感謝します。民団には5大綱領があり、多文化共生のなかに文化の向上がうたわれている。これを契機に、今後ますます団員をはじめ同胞の皆さんの文化向上に努めていきたい」と強調した。
会場では「2007年度受賞作品集−語り継ごう『在日』を!」が配られた。
式後のレセプションでは受賞者を中心に審査委員、民族教育委員、家族、民団関係者らが一緒になり受賞を喜び合いながら歓談した。
(2008.1.30 民団新聞)