掲載日 : [2008-03-26] 照会数 : 9330
建国から初の東大合格 李太喜さん
[ 李太喜さん ]
「特進コース」に所属
【大阪】白頭学院建国高等学校卒業の李太喜さん(18)=在日3世、堺市在住=が今年、東京大学文科3類(文化教育学部)に現役で合格した。白頭学院からの東大合格者はこれが初めて。在校生たちは母校を誇ることができるだけでなく、自信にもつながると喜んでいる。
李さんは地元の公立小学校出身。母親から「韓国や在日のことを勉強しなさい」と勧められ、中学校は建国に入学した。ウリマルに不慣れのため入学当初はとまどいもあったようだが、「少人数制」「和気あいあいとした雰囲気」が幸いしてのびのび勉強することができたという。
建国高校に進学すると大学進学をめざす高校生を対象とした「特進コース」に所属し、放課後は塾にも通った。2年生の夏、塾の先生から「このままの成績で行けば、東大も夢ではない」と進められ、東大を意識するようになったという。
東大を受けると聞かされた李さんの担任の洪隆男教諭は「学校側としてもできる限り応援したいと、職員会議で情報交換をしながら各先生たちに力を添えてもらった」という。日本史は担当教員が週3回にわたって放課後の2時間、特別に指導した。他の教科についても、担当の教員からのアドバイスや補習が役だったという。
合格通知を受けた時は、家族そろって飛び上がらんばかりに喜んだ。李さんは「自分の努力はあたりまえで各教科の先生たちの協力や友人、両親の応援があってこそ合格できたと思う。とても感謝している」と振り返った。将来の夢は「世界に向けて社会に役立つ仕事をすること」という。
洪教諭は「なにごともあきらめず、早いうちから目標意識をたて、将来の自分をイメージしながら努力していくことが大事」と、李さんの後に続く在校生にエールを送っていた。
(2008.3.26 民団新聞)