掲載日 : [2008-03-26] 照会数 : 15015
<参政権>「成立へ邁進の時」 神奈川で集会
[ 参加者の熱気に包まれた神奈川集会 ]
「議論は尽くした」…党派超え議員も努力約束
【神奈川】「永住外国人は地域住民自治のパートナーである。『開かれた日本社会』の実現へ地方参政権の早期付与を」。18日に横浜市開港記念会館で開かれた「永住外国人の地方参政権を求める神奈川集会」には、在日韓国人を中心とした永住外国人と市民、超党派の県内選出国会議員や地方議員ら約350人が参加した。参加者らは、神奈川をはじめ圧倒的多数の自治体が意見書を採択しており、韓国でも実現していることなどを指摘、「機は熟しつつある」と、立法化推進を訴えた。
開会あいさつで民団神奈川地方参政権推進委員会の尹隆道副委員長は「運動の成否には、なによりも地域住民の理解・協力とともに立法・政策にたずさわる各級議会をはじめ各党・議員の尽力が不可欠」と改めて支援を訴えた。同時に「全国的に、今後同様の集会や運動が予定されており、その先駆けとして今日の集会で論議し確認された内容が、運動推進の指標になる」と強調した。
今集会の賛同議員は国会議員11人(自民2、公明5、民主4)と各党・政派県会議員、市町村議会議員の125人。
実行委員会の山田貴夫事務局長は、基調報告で「求めているのは国政でなく地方参政権である」と強調、①歴史の清算②自治への参加③民族的少数者支援④アジアへの和解と共生のメッセージなど、地方参政権付与の意義について説明し、「地方議会決議などで日本社会も支持が上回り、韓国でも実現された。今国会で与野党から法案を提出して、ぜひ『検討、議論』の段階から、『可決成立』に向けて一歩進めてほしい」と呼びかけた。
実現を求めるリレーアピールでは佐藤信行・在日韓国人問題研究所所長が「単一民族主義意識の強かった韓国でも、近年地方参政権をはじめ外国人のための施策が相次いで講じられている。外国人と共に生きる社会の構築へ地方参政権を実現しなければならない」と表明。
今年で在日歴20年になるパキスタン国籍のモハマド・アンワル氏(川崎市外国人市民代表者会議第5期委員長)も「欧州では多くの国で地方参政権が認められている。日本でも、地域住民として義務を果たし社会に貢献している定住外国人に与えられて当然だ」と強調。徐史晃・在日韓国青年会神奈川県本部会長も「外国人を同じ住民として認め、日本社会にさらに貢献する生き方を保障するものとして、地方参政権付与の一刻も早い立法化を」と訴えた。
こうした呼びかけに、各党議員らもあいさつで、早期実現への尽力を表明した。自民党の田中和徳衆院議員は「外国人登録者は200万人を突破し、永住者も83万人にのぼる。開かれた国、誇り高い国として、開かれた社会の構築へ、共に地方参政権実現に努力することを約束する」と明言。同じく与党公明党の上田勇衆院議員は「李明博大統領になって日韓関係改善への期待感が強い。地方参政権実現への追い風になっている。地方参政権は日本が世界に開かれた国になっていけるかのメルクマールだ。法案が圧倒的多数で可決されるよう、引き続き努力する」と強調。
民主党の関口正俊県会議員(千葉景子参院議員の代理)、共産党の畑野君枝・元参院議員、神奈川ネットワークの山本裕子県会議員らも連帯してがんばることを明らかにした。
さらに日本共産党の志位和夫委員長と社会民社党の福島瑞穂委員長は、それぞれ、「付与は全住民参加の地方自治確立の原則。機は熟している。実現のために一緒にがんばる」「予算委員会のために参加できず申し訳ない。実現へ共に力を合わせていこう」とのメッセージを寄せた。
朴鍾駐横浜総領事は来賓あいさつで「定住外国人への地方参政権付与は、グローバル社会と日本の国際化の一助ともなる。この問題は在日同胞だけの問題ではない」と述べ、実現へ多くの人々の協力を呼びかけた。
(2008.3.26 民団新聞)