掲載日 : [2008-05-14] 照会数 : 4929
韓国建国60周年 宇宙開発も元年に
[ 李ソヨンさんが国際宇宙ステーションからフィギュアスケートの金ヨナさん(角内)と話し合った ]
夢広げた宇宙飛行士
6月=羅老宇宙センター完成
12月=自主開発ロケット発射
宇宙飛行士・李ソヨンさん(29)が4月に韓国人として初の宇宙空間を体験したのをはじめ、6月には全羅南道の高興に羅老宇宙センターが完成する。同センターからは12月に、自前の開発ロケットである科学技術衛星2号が打ち上げられる。建国60周年の今年、韓国の「宇宙開発元年」と位置づけられる。
李ソヨンさんを乗せたロシアの有人ロケット・ソユーズ号は4月8日、カザフスタンの宇宙基地から発射され、宇宙空間を50時間飛行した後、地球上空350㌔にある国際宇宙ステーションに10日間滞在した。
帰国した李さんは仁川空港での記者会見で、「国民の熱い声援のおかげで、宇宙飛行士としての任務を無事に終えることができた」と礼を述べ、「児童教育用の実験資料ビデオを作ったのが最も感動的だった」と宇宙ステーションでの感想を語った。最も苦労したこととして、無重力状態において真空掃除機のような機械を使った「トイレ」をあげた。また、「今回の経験を活かし、今後も韓国宇宙科学発展のために最善を尽くしたい」と抱負を語った。
今回の地球帰還に際しては、ロケットに事故が起こったために予定地点より420㌔も西寄りに着陸し、多大な衝撃を受けた。腰などを痛めた李さんは現在、病院で治療中だ。
世界各国が宇宙開発競争に乗り出しているのは、経済、科学技術、安全保障などさまざまな面での波及効果が大きいからだ。21世紀は、独自の宇宙開発技術の確保が国家の競争力を左右する時代だといわれる。
そういう点から、李さんが踏み出した一歩は非常に意義深い。子どもたちに、夢とチャレンジ精神、無限の可能性をも与えたからだ。
一方、高興の羅老島では、6月の完成をめざし、宇宙センターの建設が最終段階を迎えている。発射統制施設や追跡レーダー、衛星やロケットの組立実験施設、光学追跡施設、宇宙教育広報館など、ほとんどの施設が完成し、残すところは発射台の工事だけとなっている。
この美しい島から12月には、韓国みずからが開発したロケットが科学技術衛星2号を積んで打ち上げられる。成功すれば、自前の衛星保有国として世界9番目となる。今年はまさしく、韓国の宇宙開発史に新しいページを開く年となる。
(2008.5.14 民団新聞)