掲載日 : [2008-06-11] 照会数 : 5702
韓豪日グローバル家族こだわり在日記<9>
不快で屈辱的な入国管理制度
昨年11月20日に、外国人のプライバシーを侵害する指紋と顔写真のバイオメトリクス登録が始まりました。
長年耐え難い差別を受けてきた在日コリアンの身分を、社会的に改革したと言える刺激的な事変は、80年代に起こった外国人登録法の指紋押捺を拒否する運動です。
これによって日本社会は今まで見えなかった、理解出来なかった在日コリアンに対する考え方が若干改善したはずです。
しかし昨年11月から特別永住者を除いてのバイオメトリクス登録の開始によって、この指紋押捺拒否で得たものはこれから滅びる方向にあると思います。
この制度をインターネットで検索してみて私は矛盾を感じました。日本人が米国入国時に行われるバイオメトリクス登録に反対する書き込みがほとんどで、日本に出入りする外国人に対しては、この不愉快な現実に無関心のままです。
米国のやり方には決して賛成は出来ませんが、永住者を除く方法をとっています。日本は海外からのテロを防ぐ措置として行う必要があると訴えますが、赤軍やオウムは日本生まれじゃないですか? 日本の歴史に海外からのテロはあったでしょうか。冗談が過ぎます。
拒否が出来ないバイオメトリクス登録です。少しでもストレスをやわらげるため、私は自動ゲートの手続きをしました。期待はずれです。成田空港の職員が使い方をよく理解していないため、数回も指紋を捺し直すことがあります。
私の個人データがどこに送られ、どのように利用されるか不安です。日本で骨を埋める覚悟でいましたが、最近は将来が不安になりました。
唯一の救いは、特別永住者の夫と子どもたちがこのような屈辱的な思いをしなくてよい事です。
私には人生で支えになっている新約聖書の格言があります。「人にしてもらいたいと思うことを、人にも(同じように)しなさい」。
まさに国際レベルで守って欲しい素晴らしい考えです。
(スーザン・メナデュー・チョン)
(2008.6.11 民団新聞)