掲載日 : [2008-07-09] 照会数 : 5518
<布帳馬車>地域防災リーダー
今春、居住マンションの自治会長に選ばれた私に、市役所から防災リーダー養成研修の開催通知が届いた。欠席したら、「だから韓国人はダメだ」と、後ろ指を指されやしないかという思いから参加することにした。
また、中国と東北で地震が連続して起きたことで、災害勃発の可能性と被災者への対応が自分の中で現実の問題として急浮上していた。マンションには、痴呆症の高齢者と私の娘以外にも知的障害者がおり、彼らは有事の際に自分の身を守ることが容易ではない。天災は避けることができないが、被災後の対応のまずさによって、人災に拡大させる愚はなんとしても避けなければならないという使命感も芽生えていた。
土曜の朝8時半から日曜の午後3時半までと、拘束時間が長いにもかかわらず、老若男女90人が集まった。初期消火の方法から炊き出し、人工呼吸、三角巾やロープ、チェーンソーの扱い方など、基本を学んだ後、緊急避難場所に指定されている小学校の体育館で一晩を過ごした。
翌日は大規模な地震が発生したという想定で市役所に対策本部が設置され、各自が役割分担に従って学んだ知識を被災者救助の実践に活かす訓練を受けた。
研修後の意見発表で「日本語を理解できない外国人住民や障害者など、社会的弱者へのきめ細かい対応を」と強調すると、「外国人の視点に初めて気づかされた」との反応も。我ながら、その一言を言いたいために参加したことに気づいた。(C)
(2008.7.9 民団新聞)