コラム・特集 内容

 盧武鉉大統領は、2月25日の第16代大統領就任演説で、注目された対北韓政策について、金大中前政権の「太陽政策」の成果を継承・補完・発展させると表明し、韓半島の平和増進と共同の繁栄を目標とする「平和繁栄政策」と命名、その推進を明らかにしました。

危険な北韓の「核開発」加速

 現在、韓半島の平和にとって最大の懸案となっている北韓の核開発については、「計画の放棄」を促し、「核兵器の保有か、体制安全と経済支援の獲得かの選択」を北韓に迫っています。同時に「いかなる形態であれ、軍事的な緊張が高まってはなりません」と北韓核問題の「平和的解決」を強調しています。盧大統領は1日の「3・1節84周年記念辞」でも、北韓核開発への断固反対と平和的解決の重要性をあらためて力説しています。

 ところが、北韓側は、核開発計画を放棄するどころか、黒鉛実験炉の稼働を再開するなど加速することで、危険な瀬戸際政策をエスカレートさせ、韓半島での戦争の脅威を高めています。その一方で「現在、朝鮮半島での対決構図は北と南の朝鮮民族対米国だ。全民族の団結した力で、断固たる反撃を加えるべきだ」、「内外情勢はわれわれ民族の意思とは異なり、厳しい状態になっている」などと、相変わらず問題をすり替える主張を繰り返しています。

 「民族団結」「民族協助」を強調しながらも北韓は、「核問題は朝米の問題」として韓国とは協議すらも拒否しています。金正日国防委員長は、外国との特使とは会見しながらも、核問題解決を求める大統領親書を持った韓国大統領特使とは会いもしませんでした。

緊張激化阻止、平和解決へ

 そもそも、北韓の核開発は、94年の「朝米合意」に背くだけでなく、南北政府間で合意し、正式に批准までした「韓半島非核化共同宣言」(92年2月発効)にもとるものです。この「非核化共同宣言」の誠実な履行は、同時に発効した「南北基本合意書」(南北間の和解と不可侵および交流・協力に関する合意書)と共に、南北当局が7000万同胞と世界に宣言した約束であり、民族的義務でもあります。

 それを反古にして、核問題と韓半島の平和確保・定着問題は米国との協議でしか解決できないとの北韓の主張は、「民族自主」とは正反対の、それこそ「事大主義」で、「民族団結」「民族協助」に逆行するものにほかなりません。

 民団は、「3・1節」に際し全国各地で開いた集会で、祖国、韓半島での緊張激化に反対し、真の南北交流を通じた平和の確保のために、北韓に対して核開発の即刻中止を求めました。

 総連同胞も、今こそ声を大にして、危険極まりない戦争瀬戸際政策に反対し核開発の即刻放棄と南北間基本合意の誠実な履行による祖国半島の平和確保と相互信頼関係の構築にこそ力を注ぐよう、北韓当局に強く促すべきです。

(2003.03.05 民団新聞)

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