韓国で19日、6月1日投開票の統一地方選と国会議員補欠選の選挙運動が始まった。尹錫悦政権の発足に伴い与党となった保守系「国民の力」と国会で最大勢力の革新系野党「共に民主党」はそれぞれ、広域自治体(市・道)首長の3ポスト(ソウル市長、仁川市長、京畿道知事)を争う首都圏を制して全17広域自治体首長の過半を獲得するという同じ目標を掲げている。この日は両党とも、焦点となる仁川市で出陣式を開き、31日まで13日間の選挙戦に入った。
国民の力が「力のある政権与党の候補」による各地域での公約履行を掲げる一方、共に民主党は尹政権けん制の必要性を強調している。
国民の力は19日午前、常任選挙対策委員長を務める李俊錫党代表、共同選対委員長の権性東院内代表をはじめとする党執行部や仁川市が選挙区の国会議員などが仁川市長選キャンプに集結し、中央選対委員会の会議を開いた。
仁川では市長選と国会議員(桂陽区乙選挙区)補欠選が行われる。市長選に出馬した劉正福氏は「現市長(共に民主党)の無知と不通(疎通不足)、偽りで失った4年を取り戻し、超一流都市・仁川を新たにつくり上げる」と表明。地域の懸案である公共交通に対する公約の履行を約束した。
桂陽区乙の国会議員補欠選には仁川市が地元の尹炯善氏が立候補しており、先の大統領選で尹錫悦氏に惜敗した共に民主党の李在明前京畿道知事と対決する。権院内代表は、李氏が京畿道でなく仁川で立候補したことを批判し、「仁川を軽く見てはならない。仁川市民の自尊心を示す必要がある」と気勢を上げた。
党執行部は会議に続き出陣式に出席した後、首都圏を中心に各地の応援演説に向かった。
一方、共に民主党の選対委員会はこの日、仁川の桂陽駅前の広場で出陣式を開いた。党常任顧問で選対委を率いる李在明氏をはじめ、仁川市長選で再選を目指す現職の朴南春氏、共同非常対策委員長の尹昊重氏とパク・チヒョン氏、朴洪根院内代表らが勢ぞろいした。
李氏は街頭演説で「仁川で勝利してこそ首都圏で勝ち、首都圏で勝ってこそ江原、忠清道でも勝てる」と述べ、仁川での勝利に向け支持を訴えた。
党執行部はその後、京畿道水原市に移動し、京畿道知事選の候補、金東ヨン氏の遊説団の出陣式に出席した。
ソウル市長選には、国民の力から現職の呉世勲氏が4選に挑む。日付が変わると、呉氏は住民が自主的に運営する広津区内の防犯組織の見張り所を訪れて選挙戦をスタート。この日は主に1人暮らし世帯や若者に向けて支持を呼び掛けた。共に民主党の候補で前党代表の宋永吉氏は、城東区にある鉄道車両基地の整備場の訪問から選挙運動を始め、党への支持が厚い地域を中心に回った。
大統領選で尹錫悦氏に候補を一本化し、現在は国民の力に所属する安哲秀氏は、京畿道城南市盆唐区甲の国会議員補欠選挙に出馬した。京畿道知事選候補の金恩慧氏、京畿道城南市長選候補の申相珍氏とともに城南市内にある顕忠塔を参拝した後、選挙運動に入った。
【聯合ニュース】
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