掲載日 : [18-06-27] 照会数 : 10710
大阪北部地震、民団大阪が慰問…被災者の涙誘う、寝屋川市の李正商さん
[ 李正商さん(右)と名刺交換する呉龍浩団長ら ]
[ 外壁が崩れた李さん宅 ]
【大阪】大阪では記録史上最大の震度6弱を観測した「北部地震」から4日目の22日、民団大阪本部(呉龍浩団長)から呉団長が職員4人とともに被害の大きかった寝屋川市の李正商さん(90)宅を慰問した。同市は震度5強を記録、負傷者9人を出している。
李さんによれば地震発生時の7時58分、まだ、寝床の中にいた。ものが落ちたり、コップの割れる音に驚いて目が覚めたが、揺れが収まるまでは金縛り状態が続いた。同居の娘さんも台所で必死になってテーブルにしがみついていたという。
しばらくして通りがかりの住民が「外壁が落ちている」と知らせてくれた。門のすぐ横の外壁が半分に崩れ落ち、厚い石でできた表札も二つに割れていて、地震の大きさを物語っていた。娘さんは「外壁があれだけ崩れていても、幸いけが人が出なかった。もし人がそばを歩いていたら、2次災害につながっていたかもしれない」と胸をなでおろしていた。
いまでこそ落ち着きを取り戻しつつあるが、当日はガスが止まり、水道からは濁った水が流れた。駅前のスーパーに買い出しに行っても、水や食べ物がなに一つなくなっていた。夜中になると余震が心配で眠れない日々を過ごしてきた。
呉団長が「大変でしたね」と気遣うと、李さんは「よく来てくれました。うれしい気持ちです」と言って涙ながらに呉団長の手を握り返した。呉団長は「団員にできる限りの協力、助け合いのネットワークを広げようとした矢先の地震だった。これからも被災者のため民団として精いっぱいやっていきたい」と約束した。
呉団長は地震発生直後から自ら府内の民団27支部すべてに連絡を入れ、職員も手分けして各支部を回りながら被害状況の把握に努めてきた。
(2018.06.27 民団新聞)