掲載日 : [2018-12-19] 照会数 : 7170
教育、文化、スポーツ…民間草の根交流顕彰 高円宮記念「日韓基金」10周年
[ 日韓障害者交流協会に賞状を授与する高円宮妃殿下(右) ]
40件に「高円宮賞」授与
青少年を中心とした韓日間の地道で息の長い民間草の根交流を顕彰してきた一般財団法人高円宮記念日韓交流基金(柳井俊二理事長、東京・千代田区)が今年で設立10周年を迎えた。顕彰分野は教育、文化、スポーツと幅広い。これまでに40団体が受賞。いずれも政治・外交面で関係が困難に陥った時でも大事な隣国として未来を見据えた活動を継続している。
10周年を記念して14日、東京・新宿の駐日韓国文化院でこれまでの交流の軌跡を振り返った。
1階ギャラリーMIで過去9回の受賞者の活動や実績をパネルで展示。2階ハンマダンホールでは選考委員でもある早稲田大学大学院の李鍾元教授と陶芸家の第15代沈壽官さんが「日韓草の根交流の未来を語る」と題して講演した。第2部ではこれまでの受賞者5人が「国と国を結ぶ草の根交流の取り組み」と題してプレゼンテーションを行った。
同基金は「国と国の友好は人と人との交流が基本にある」と語っていた高円宮憲仁親王の遺志を具体化しようと高円宮妃殿下を名誉総裁に迎えて2008年12月1日に設立された。憲仁親王は02年5月、サッカーワールドカップの開会式に出席するため、夫妻で韓国を公式訪問した。皇族の韓国訪問は第2次大戦後これが初めてだった。
節目の第10回受賞者に選ばれたのは日韓障害者交流協会、新潟県南魚沼市立塩沢中学校、釜山広域市レスリング協会、ソウル俳句会の4グループ。各界から推薦のあった15件のなかから選ばれた。
日韓障害者交流協会(事務局、福岡市)は87年の訪韓をきっかけに障害者どうし、各種スポーツ、文化を通じた相互交流を続けている。同じく釜山市レスリング協会は中学生を対象とした韓日親善レスリング交流48年の実績が評価された。
塩沢中学校は江原道にある道岩中学校との間でホームステイを伴うスキー交流を続けており、87年から31年間、1回も途絶えたことがない。
一方、ソウル俳句会の活動拠点はソウル市。日本語教師や解放前に日本語教育を受けた高齢の愛好者が集まり93年から月2回定例句会を開催している。選考委員会では日本文化を広く発信している点が評価された。
顕彰式典は13日、駐日韓国文化院で開かれ、同基金名誉総裁の高円宮妃殿下がそれぞれに賞状と目録、記念の盾(高円宮杯)を授与した。
(2018.12.19 民団新聞)