掲載日 : [2004-08-18] 照会数 : 3949
総連への提議書 全文(04.8.18)
民団中央の金宰淑団長は16日、15日の慶祝辞に基づき、朝鮮総連中央本部に対して提議書を送付した。
◇
在日本朝鮮人総連合会議長 徐萬述 貴下
在日同胞社会の発展のために努力されていることに対し、敬意を表します。
来年は光復60周年と歴史的な6・15南北共同宣言5周年を迎える年です。
本韓国民団は来年を真の和解と協力を通じ一つになった在日同胞社会、すなわち在日同胞社会の統一元年として迎えるため、貴朝鮮総連にこの提議書を送ります。
祖国では6・15南北共同宣言を契機に、多角的な対話と交流が持続的に成し遂げられており、人道的分野をはじめ、経済協力は発展的な関係を構築しつつあります。もちろん、南北間にまったく見解の差がないというのではなく、今後解決しなければならない課題も少なくありません。しかし、本人は南北が諸般の課題を地道に克服し、交流・協力をより進展させていくことができると信じています。
在日同胞としてもこのような南北間の持続的な対話と交流が、祖国の平和統一を早める道であることを確信し、私たち在日同胞も交流を通じた和合を積極推進していくことで祖国の平和統一に寄与していきましょう。
過去60年間、私たち在日同胞は血の涙を流す努力であらゆる苦難を克服しながら多くの成果をあげてきました。
人権と権益擁護を大きく前進させ、経済活動を拡大することで祖国建設に貢献し、日本での社会的地位も向上させてきました。これは私たち在日同胞の底力と能力を証明することだと言えます。 しかし、私たちはいまだに分裂と対立を克服できずにいます。率直に申しあげるならば、まさに韓国民団と朝鮮総連が対立と葛藤を継続してきたことが、一つの大きな原因だと言えます。特に、次世代に明るい未来を抱かせずいることに対し、両団体は謙虚に責任を感じなくてはならないと思います。
両団体間には見解差と解決しなくてはならない課題がありますが、対話を通じて課題を克服し、真の交流・協力関係を構築しながら対立の歴史に終止符を打たなければならない時期が来たと確信します。
現在、在日同胞社会で最も急がれる問題は、まさに若い世代に対する対策であり、両団体は次世代に対して民族的素養と矜持を確固としたものにしなければなりません。 そして、私たちは信頼回復を土台に、すべての在日同胞の心と力を結集させ、教育・文化、経済基盤強化、社会福祉など、多方面にわたる努力を中長期的に傾注していかなければなりません。
来年の光復60周年には、両団体が中心になり、交流・協力関係を樹立し、すべての同胞の前に対立の時代に終止符を打ち、協力の時代に入ったことを宣言しましょう。
これを成就するために、両団体はすべての在日同胞がみんな一緒に参与することができる光復60周年祝賀行事を開催し、全在日同胞の和合と協力時代が始まったことを対内外に知らせましょう。
本人は去る2000年に両団体間で行き来した提議でも明示したように、お互いが虚心坦懐な対話と交流を通じ、南北共同宣言の意義とすべての在日同胞の要望である次世代に明るい未来を約束できる和合の基盤を準備するために、下記のように提議する次第です。
1.光復60周年を迎える来年の光復節に、両団体が共同祝賀行事を実施し、全在日同胞が喜んで参加できるようにしましょう。
2.来年の共同祝賀行事の準備段階として、同胞社会の和合雰囲気を高揚させるための多様な交流を積極的に推進していきましょう。
3.在日同胞社会の交流・協力関係の構築のために、象徴的な事業として両団体が代表団を構成し、南(ソウル)と北(平壌)を共同訪問しましょう。
4.在日同胞社会の経済基盤の強化、文化・教育の振興、社会福祉問題などに関する協力関係を具現するため、両団体間に常設協議機構を速やかに設置しましょう。
上記の提議に対し、近い内に韓国民団中央副団長と朝鮮総連副議長を責任者にする責任者会談を開催しましょう。
以上の提議に対し、肯定的な回答があるよう心から期待します。
2004年8月16日 在日本大韓民国民団
中央本部団長 金宰淑
(2004.8.18 民団新聞)