掲載日 : [2004-08-18] 照会数 : 4449
崔洋一さんが日本映画監督協理事長に(04.8.18)
[ 日本映画監督協理事長になった崔洋一さん ]
[ 観客と日本映画界に衝撃を与えた作品 ]
広げたい表現世界…「血と骨」は11月に公開
在日2世の映画監督・崔洋一さんが約570人が加盟する日本映画監督協会の04・05年度理事長に山田洋次監督の後任として就任した。
様々な作家の多様な作品が映画界をはじめ、表現の世界を豊かにすると考えてきた崔さんは、大役を果たす構想についてすでに思いを巡らせているという。
崔さんは民団中央本部が主催した02年のMINDAN FESTIVALに参加し、自作について講演。98年の第1回東京コリアン・アカデミーにも講師として「在日同胞と映画」をテーマに教鞭を執り、民団に多大な貢献をしている。
49年、長野県生まれ。東京朝鮮中高級学校高級部卒業後、照明助手として映画界入り。助監督などを経て、81年にテレビ映画「プロハンター」で監督デビュー。83年に「十階のモスキート」で映画監督に。93年には在日タクシー運転手とフィリピン人女性の恋を軸に東京に生きる様々な人々の暮らしを描いた「月はどっちに出ている」で日本映画監督賞や日本映画大賞など50以上の映画賞を総ナメにし、〞言い換え〟によって差別問題を回避する偽善的な処理が当たり前だった日本映画界の表現問題に対し一石を投じた。96年には韓国延世大学韓国語語学堂に留学。99年の大島渚監督作品「御法度」では俳優として新選組の近藤勇を熱演。その他、監督作品に「マークスの山」「豚の報い」「クイール」などがある。
また、済州道から大阪に渡ってきた凶暴で強欲な男・金俊平の壮絶な生き様を描き、第11回山本周五郎賞を受賞した梁石日の小説「血と骨」を主演にビートたけしを迎え、6年がかりで映画化。今年11月、全国公開される。
(2004.8.18 民団新聞)