掲載日 : [2004-09-15] 照会数 : 5780
「団員ネット」が始動 セキュリティも万全に(04.9.15)
[ 神奈川・南部支部で始動した団員ネット ]
事務手続きの切り札登場
民団版の住基ネットともいうべき、「団員ネット」の試験運用が始まった。領事業務や各種申請などの事務手続きの合理化をはじめ、団員サービスの充実化に向けた大きなアイテムになりそうだ。試験運用の対象は、各総領事館ごとに1〜2カ所の計13カ所が選定された。今月中にすべて設置され、試験運用がスタートする。
同ネットは、団員すべてに生涯変わらず重複することのない団員番号をつけ、全国民団本部・支部の団員情報のデータベースをセンターで一括管理するもの。これで在外国民登録で懸案となっていた番号の重複など、名簿管理上の不具合が生じることがなくなる。
また、これまで独自の外字コードとして登録していた文字も含め、同胞の姓名によく使われる難解な漢字をUNIコードで管理するため、ほぼすべての漢字が登録可能となった。
センターで一括管理するため、旅券発給申請書の作成や移転の届出手続きなどが、どこの支部においてでも、煩雑な作業を経ずにコンピュータの画面上で瞬時に行えるようになる。
また、団員を一定の年代別や年齢別などで割り出すことができるようになり、新入学生や新成人者を探したり、敬老会を催す際などに利用できるので、対象年齢別のサービスが充実する。正確な統計を作成するのにも役立つほか、人探しにも利用できる。
民団では個人情報の管理に神経を使っており、団員ネットを利用する際に使うコンピュータは、インターネット接続など他の用途に用いることができないようになっている。
民団中央本部IT推進チームは「ネットの設計時に、大手企業などが導入しているセキュリティシステムで使えるものはすべて使った」としており、団員の個人情報の保護も万全の体制で臨んでいる。
7日に試験運用が始まった神奈川・南部支部の徐泰源支団長(52)は「以前は旅券発給申請書を作成するだけで半日もかかったというケースもあったが、すぐできるようになった。団員さんもびっくりするはずだ。今までは中央本部と地方本部と支部で連絡をとるのに時間がかかったがそれがなくなる。手続きも団員さんときちんと話しながら進められるので、団員さんと民団の関係がもっと近くなるのでは」と期待を込めた。
民団では、約半年間のあいだ試験運用をしながら、団員ネットを利用した各支部の意見を聞き、システムに修正を加えた上で、来春から全国で本格的に運用を始める方針だ。
将来的には、団員の本国での活動に便宜を図るため、団員番号を本国の住民登録番号として認めてもらえるよう要望していくことも視野に入れている。
(2004.9.15 民団新聞)