掲載日 : [2004-09-15] 照会数 : 4390
市民的権利初の保障 武生市自治基本条例案(04.9.15)
国籍の別なく
【福井】福井県武生(たけふ)市は、外国籍住民を含むすべての市民に市民的自治活動に参加する権利をうたった「市自治基本条例」の制定をすすめている。自治基本条例はこれまでにも全国各地の自治体で施行されているが、条例案で外国籍住民を「市民」として明確に位置づけたのは初めて。来年からの施行をめざし市議会で審議を進めている。
市の基本条例案は、00年4月の地方分権一括法の施行にともなって自治体の役割が問われていることから、住民主体の市政推進をめざして、市長から委嘱を受けた委員18人で構成する「市民懇話会」が策定した提言をもとにしている。
条例案は年齢、性別、国籍などに左右されることなく、すべての市民に市民的自治活動に参加する権利を平等に保障しているのが特徴。
市政の重要事項について広く市民の意見を聞くときは、住民投票を実施することができると定めている。もちろん、原則的に条例で市内在住の外国人や20歳未満者も加えることになる。
市民自治の推進のために市長の付属機関として「市民自治推進委員会」の設置もうたっている。同委員会は市民活動や市との調整にあたるほか、重要事項について市長に提言する役割と権限を担う。市企画調整課によれば「他の自治基本条例ではあまり例がない」という。市は委員を公募するほか、NPO代表者らにも就任を呼びかけていく方針だ。
武生市の人口は3月1日現在で7万4068人。このうち外国籍住民は2565人を数え、県内での比率は最も高い。国籍別では日系ブラジル人や中国国籍が目立つ。民団武生支部によれば在日韓国人は28世帯。
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若い世代に希望と勇気…金鎭熙民団福井県本部団長の話
条例が可決されれば、共に生きることを実践する全国的なモデルケースとなるだろう。特に若い世代が勇気づけられることと思う。将来とも地域で希望を持って生きられる担保となる。今議会で可決されることを信じ、今後とも注視していきたい。
(2004.9.15 民団新聞)