掲載日 : [2004-10-06] 照会数 : 3840
「国籍」と「障害」二重の差別重く 在日障害者調査結果(04.10.6)
「年金訴訟を支える会」…大阪高裁に提出
【大阪】「在日外国人『障害者』の年金訴訟を支える会」は、関西地区在住の外国人無年金障害者50人に生い立ちから現在の生活状態まで詳細に聞き取り調査した結果を1日、「証拠」として大阪高裁に提出した。この調査結果からは、「二重の差別」を受けてきた在日障害者の実態があらためて浮き彫りにされている。
実態調査結果は60㌻におよぶ。調査票の設問は71項目で構成している。
対象者は日本が難民条約に加入した82年1月1日時点で20歳を超えていた人たちで、回答者の半数が50代だった。現在の職種はといえば印刷、洋裁・縫製、工場など。バイトやパート就労が目立ち、正式雇用は半数以下。労働条件でも障害者差別が見られた。中には「自分より後から入ってきた健常者のほうが給料が高かった」という例も。
生い立ちを聞くと、学生時代に「みなから『韓国人』『帰れ』といわれた」「臭いといじめられた」といった差別を受けた経験があると答えた回答者は約40%もいた。
障害者手帳を障害者になってから3年以内に取得したという人はわずか16%。10年以上もたってから取得したという例が42%を占めた。これは「家族に障害者がいるために行政の援助を受けると、強制送還の理由になることもある」ために「母が隠すのに苦労していた」という背景がある。
成長してから、たとえ日本国籍を取得しても年金を受けられないと知ったときのショックはとてつもなく大きかった。「福祉事務所にアボジと怒鳴り込んだ」という例も。ある障害者は「自分の食いぶちさえも稼げず、苦労してきた親を助けるどころか、頼らないといけないとは。ずっと悔しかった」と答えている。
(2004.10.6 民団新聞)