掲載日 : [2004-10-27] 照会数 : 5249
同胞の救援急ごう 新潟中越地震と一連の台風被災
[ 民団新潟・中越支部管内小出町役場前のテント村=26日午後2時撮影・被災団員の林玉子さん提供 ]
[ 台風23号で兵庫県西脇市の播丹支部会館一帯は濁流に襲われた=23日撮影 ]
民団中央に対策委…組織あげ義援活動へ
23日に発生した新潟県中越地震や一連の台風は同胞社会にも甚大な被害を与えた。民団中央の常任委員会は25日、この事態を重く見て緊急会議を開き、中央に「新潟中越地震・台風被害対策委員会」(委員長=金宰淑中央団長)を設置し、義援金など支援活動を全国規模で推進することを決めた。支援は台風16号、18号、22号、直近の23号による同胞罹災者と中越地震の被災同胞や激甚地域住民を対象とする。なお中越地震の被害実態を調査し、支援策を協議するため、李鐘太民生局長らスタッフが25日、新潟県本部に派遣された。
中越支部管内の同胞は80世帯(8市26町17村)。新潟県本部では地震発生翌日の24日、中越地震対策本部を設け、李鐘海団長を中心に被害状況の把握に努めてきたが、電話不通、道路寸断のほか被災者が避難所生活の状態にあるため連絡が取れず、25日になって、家屋の全壊・半壊のほか多くの遊戯業ホールが営業不能に陥るなど、悲惨な状況が明らかになった。死亡・重傷など大きな人的被害は、26日午後5時現在まで確認されていない。
一方、16・18・22号台風の被害状況はほぼ把握され、岡山、広島、愛媛、三重など当該地方本部で支援活動が進められている。ただ、23号被害については兵庫などの被災地で調査が進むにつれ、被害の大きさが相次ぎ明らかになっている。
民団中央対策委では、台風被害は16号までさかのぼって支援するとともに、中越地震については被害が特に甚大で避難生活が長期化するとの展望から、地域住民をも支援対象にする方針だ。
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地域と一体助け合う
【新潟】李鐘太民生局長と李鐘海新潟本部団長ら対策本部先遣隊は26日午後、飲料水や食料、電池、カイロ、消火器具などを準備して小出町に入り、被災同胞に手渡すとともに、「同胞、日本人の区別なく、復旧に向けて力を合わせよう」と激励した。
直下型地震に見舞われた北魚沼郡湯之谷村井口新田に在住する団員・林玉子さんは次のように話している。
この一帯は同胞が少ないが、何とか走り回って5世帯の同胞宅に全・半壊の被害はなく、人的被害もないことを確認した.ただ、住める状況ではなく、それぞれ避難所生活だ。今夜(26日)は雪が降る予想で、都市ガス、ガソリン、水道もままならず、疲労がたまった被災者には追い討ちになる。
私は不動産業を営んでいて、1000室の管理を委託されているが、行き場を失ったり行方不明になった店子やショック死した大家さんもいる。とにかく今は地域住民どうし助け合い、励ましあうだけだ。
(2004.10.27 民団新聞)