掲載日 : [2004-11-10] 照会数 : 6629
<コラム・布帳馬車>済州市選択の理由
東京・荒川区の区議、日韓協、民団役員40人で構成する韓日親善訪韓団は、済州国際空港到着後、バスで島の北西部に位置する涯月邑高内里に向かった。日本側のたっての希望だったという。済州市との姉妹都市提携にかけた区側のなみなみならない意気込みが感じられた。
区は済州道出身の在日同胞集住区。「三河島トンネ」を中心に約7400人が住む。なかでも高内里出身者が多いことで知られる。
高内里公民館の敷地の隅には村出身の在日同胞を顕彰する石碑がいくつも建っていた。ビニール加工業やカバンの縫製業を営み、貯めたお金を故郷の村に運んだ結果だ。村では40年以上も前にどこよりも早く電気が灯り、水道が敷かれた。
荒川区の同胞は三河島独自の下町焼肉文化にも貢献してきた。現在、50以上の焼肉店が小路に2、3店ずつ点在している。たった500円で炭火の焼肉が食べられる「焼肉フェスティバルin荒川」は、区民に好評だった。
自民党区議や区商店街連合会関係者から「在日の人たちは荒川区の経済と文化に貢献している」「商店街の発展をもたらしてくれた」「区の発展は在日韓国人を抜きにして語れない」と言う声を多く聞いた。
荒川区にはソウル市の某区からも姉妹提携の申し入れが届いていたが、迷わず済州市を選んだ。韓・日二つの故郷に貢献してきた済州道出身者の存在が地域社会でも正当に評価されたようだ。(P)
(2004.11.10 民団新聞)