掲載日 : [2004-11-10] 照会数 : 6927
1500食炊き出し 新潟中越地震対策本部(04.11.10)
[ 熱々のカルビスープに頬をゆるめる被災者(3日、新潟・小千谷市) ]
「支えられうれしい」…被災者らに涙
【新潟】民団新潟・中越地震対策本部は3日、特に被害の大きかった地域の一つ、小千谷市の東小千谷小学校でカルビスープ1500人分の炊き出しを行った。同校周辺だけでも3日現在、約1300人以上が避難生活を続けている。
婦人会新潟県本部の会員らを中心とする同本部のスタッフら約30人は、地割れや隆起が目立ち、場所によっては片側一車線が完全に陥没している道路などを通り、現地に食材や調理器具などを運びいれ、炊き出しを行った。あいにくの雨にもかかわらず、大勢の被災者が訪れたため、2時間で1500食分が出つくした。
小千谷市には有名なキムチ専門店があり、多くの市民が利用しているという。被災者からも、普段から慣れ親しんでいる韓国料理の炊き出しと、またこうした韓国とのつながりとを喜ぶ声が多く聞かれた。
もともと韓国料理が大好きだという40代の主婦は「韓国料理を食べに行きたいとみんなで話していた矢先だからうれしい」と笑顔を見せた。
この日一番に炊き出しの現場を訪れた山岸拓詩さん(47)は男泣きし、涙をぬぐいながら「こうして韓国の方々が支えてくれてうれしい。本当に、いろいろな人に支えられてる」と語った。
家族で同校に避難している田中統子さん(31)は「韓国ブームになって韓国人にも興味を持っていたが、なかなか近所にいないので、これを機会に交流できてよかった」と喜んだ。40代の日本人女性から「これから先、もし逆の立場になることがあったら、そのときには韓国の方々を支援したい」と語った。
また当日、炊き出しを行っていた自衛隊員との間で、お互いの労苦をねぎらい、炊き出し料理を交換する場面もあった。
(2004.11.10 民団新聞)