掲載日 : [2004-11-10] 照会数 : 8979
地方参政権相互付与を 東京でシンポ(04.11.10)
[ 白熱する参政権論議が交わされたシンポジウム(7日、東京) ]
来年8月目標に 「両国で積極運動」確認
韓・日両国に定住外国人の地方参政権相互付与の実現を目指している両国と在日の弁護士、大学教員らが7日、東京・千代田区の在日韓国YMCAでシンポジウムを開いた。この問題で韓・日・在日が市民レベルで共同行動をとったのは初めて。解放60周年を迎える来年の8月までには両国で地方参政権の「開放」を実現させたいと強い決意をにじませていた。
韓・日・在日の連携テコ
定住外国人の地方参政権獲得は多民族・多文化共生社会の構築に向けた一歩との共通認識のもと、韓・日双方でこの日のシンポを準備してきた。在日・日本側は龍谷大学の田中宏教授と金敬得弁護士ら4人で共同代表を構成、韓国側はソウル大学校法科大学の鄭印燮教授と李錫兌弁護士が中心となっている。
韓・日・在日ネットを立ち上げてからの賛同人は1カ月たらずですでに253人(4日現在)に達した。年内には計1000人を目指している。
東京でのネット発足記念シンポには200人余りが参加。関東近県はじめ、遠くは関西地区からの参加者も見られ、関心の高さをうかがわせた。
基調報告で田中共同代表は、地方参政権獲得運動の壁となっている国籍取得論について「日本人になったからといって一朝一夕に忠誠心が芽生えるのか」と自民党の一部に根強く残る排除の論理にクギを刺した。
全国に先駆けて永住外国人に合併問題の住民投票資格を条例で付与した滋賀県米原町の村西俊雄町長は、外国人の人権擁護委員就任は公権力の行使にあたらないとして、6月に続き法務省に国籍条項の撤廃を提案することを検討していると明らかにした。
一方、韓国では、今年に入って与野党が海外不在者投票制の導入案と華僑など長期居住外国人に対する地方選挙権付与についても賛成の方針を固めているという。この日のシンポで鄭教授と李弁護士が明らかにした。今年施行の住民投票法に続き、早ければ06年に実施される地方選挙で実現する可能性が高い。
共同代表の一人、金弁護士は「日本が先になるか、韓国で先に実現するか。どちらが早いか善意の競争を促していきたい」と述べた。
24日にはソウル・ロイヤルホテルで同様のシンポを開き、今後の共同の取り組みについて具体的な論議を深める。
(2004.11.10 民団新聞)