掲載日 : [2004-11-17] 照会数 : 5596
無年金障害者救済法案 附則に在日外国人明記(04.11.17)
与党案を修正…今国会で成立へ
在日外国人を含む無年金障害者救済法案が、与党案を一部修正のうえ19日にも国会で成立する見通しとなった。与党案では当初、在日外国人について「検討」対象にとどめていたが、民主党の申し入れを受けて将来において救済を図ることを附則に明記することで合意している。
与党案は任意加入時代に未加入だったため障害基礎年金を受け取れない専業主婦と学生を対象とし、月額5万円前後の福祉的給付金を支給するというもの。ただし、在日外国人と在外邦人などの救済には当初から消極的だった。これに対して民主党案では在日外国人と在外邦人も含め、障害基礎年金に見合う額を支給するとしている。
任意加入時代に未加入だったために障害基礎年金を受け取れない学生からの訴えについては、3月の東京地裁に続き10月末の新潟地裁の判決でも救済を怠った国の責任を認めている。このため、与党としても法案の成立を急がねばならず、民主党の主張を一部取り入れざるを得ない事情があったようだ。
この結果、与党の付則案には在日外国人について「必要があると認めるとき、その結果に基づいて所要の措置が講ぜられるものとする」との一文が入った。
民主党としてはこの附則に基づき、与党との折衝を通して在日外国人の無年金障害者については「05年度中に所要の措置を講じること」、同じく無年金高齢者の所得保障の在り方についても「直ちに検討を開始し、必要な措置を講ずること」とした附帯決議を法案に盛り込みたい考えだ。
解決へ一定の担保
民主党の泉房穂衆議院議員の話 「納得はしていないが、在日外国人の救済が法案に入ったので今後のとっかかりはできた。今後は無年金高齢者の問題も視野に入れていきたい」
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与野党で11日までに合意した修正案
附則(検討)
第2条 日本国籍を有していなかったため障害基礎年金の受給権を有していない障害者その他の障害を支給事由とする年金たる給付を受けられない特定障害者以外の障害者に対する福祉的措置については、国民年金制度の発展過程において生じた特別な事情を踏まえ、障害者の福祉に関する施策との整合性等に十分留意しつつ、今後検討が加えられ、必要があると認めるときは、その結果に基づいて所要の措置が講ぜられるものとする。
(2004.11.17 民団新聞)