掲載日 : [2004-12-01] 照会数 : 4596
共同事業へ期待大きく キムチネット意見交換会(04.12.1)
[ おいしいキムチを作るための現場の要望が相次いだ ]
「情報交換の場増やそう」
「良質食材の安定供給を」
「もっと情報交換できる場がほしい」「共同仕入れを実現して」キムチネットを立ち上げるための在日同胞業者による意見交換会が11月18日、東京・南麻布の韓国中央会館で開かれた。韓国の伝統食品である手作りキムチの味を維持するため苦心している現場から、さまざまな声があがった。
民団中央本部は、民団改革フォーラムの一環として生活ネットを立ち上げ、生活者団体の実体化を図ろうとしている。その第1弾が韓国の食文化の代表であるキムチのネット。今回、事前準備として初の意見交換会がもたれた。
冒頭、林三鎬・企画調整室長は昨年12月から準備してきた経緯について触れながら、「現在、民団そのものが大きな転換期にあり、生活者団体として実体のあるものにしていきたい。ここに集まった人を中心にキムチ業者の共同作業を具体化してほしい」と期待を寄せた。
続いてキムチネットを構築する場合の方法や課題、業者アンケート結果などの説明が行われた。
今回参加したのは、来賓の金鎮永・韓国農水産物流通公社東京農業貿易館長をはじめ、キムチ業者と関連業界のアドバイザーら約20人。業者はいずれも手作りでキムチを販売しているため、材料費の高いのが共通の悩み。安く仕入れる方法はないかとの質問が相次いだ。
宮城県から参加した李原奇さんは「白菜などの材料は韓国ものが質がよく安いが、安定的に供給できるかどうかが課題。民団が共同仕入れの窓口になってくれれば」と期待する。
材料のほかに、パッケージを共同で購入すればかなりの割引が可能になるとの指摘があった。ホームページに関しては、まず、おいしい本物のキムチをPRする場として立ち上げたほうがよいとの意見が多かった。
韓国食品に詳しい三井物産の澤合昌三主事は「民団が一部サポートしても商品の品質だけはどうすることもできず、各業者が品質を維持することが最も重要だ。業者同士の情報交換を積み重ねた上で具体的な共同事業に動いたほうがいいのではないか」とアドバイスした。
月刊「焼肉文化」の発行人である朴健市さんは「12年ほど前に焼肉協会が設立され、会員が250社ほどに増えたのに合わせて社会的地位が向上し、一部、共同仕入れも行っている。キムチ業者も協力すべきではないか」と激励した。
名古屋から参加した3世の朴和生さんは「これまで民団に行く機会がなかった。今回、自分の商売と関連があったので初めて参加してみたが、情報を共有できる場を提供すれば、自然と人は集まると思う。忌憚なく話し合えるような環境づくりに期待したい」と要望した。神戸から親子で参加した朴春子さんは「分からないことだらけなので、参加してとても勉強になった。同じ業者同士で情報交換すると励みになるので、このような交流の場を増やしてほしい」と感想を語った。
キムチネット準備室では、今回の意見やアンケート結果をもとにキムチネットを早急に立ち上げる方針だ。
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キムチネット参加者募集
民団中央本部では韓国の代表的食品であるキムチを製造する業者間のネットワーク構築を進めており、参加希望業者を募集しています。問い合わせはキムチネット準備室(民団中央本部民生局内)℡03‐3454‐4916。
(2004.12.1 民団新聞)