掲載日 : [2004-12-01] 照会数 : 4745
「一線」の使命感新た ソウルで全国支団長交流会(04.12.1)
[ ウリ支部ウリチャラン運動の報告に聞き入る支団長ら(11月25日、ソウル) ]
先駆例で相互啓発
ウリ支部ウリチャラン…28支部が実践報告
【ソウル】全国支団長交流会が11月25、26の両日、ソウル市内のホテルに37地方の支団長ら200余人を集めて開催された。メーンは28支部による「ウリ支部ウリチャラン運動」の経過報告。同運動を積極的に展開している模様を収めた映像ビデオの紹介が注目を浴びた。このほか、内外情勢と当面課題の講義や重点事業の説明を通じて、支団長らは全国組織の第一線で活動する使命感をあらたにした。
支団長交流会は昨年11月に大阪で開かれて以来1年ぶりで、通算3回目となる。ソウル開催は初めて。
中央本部の金宰淑団長は冒頭あいさつで「長期不況に加え、台風や地震などによる被害で大変な一年だった。厳しい現状のなかでも組織の一線に立って活動する支部と地方、中央が同じ目線、同じ呼吸で活動し、同胞のニーズに合った21世紀に対応できる組織づくりをしよう」と呼びかけた。 金廣昇監察委員長、金昭夫副議長のあいさつの後、外務部の李俊揆領事局長は、「来年の韓日友情年を意義あるものにするために民団が大きな役割を果たすことを願う」と述べた。在外同胞財団の李光奎理事長も「韓国が人口13億の中国や1億2千万の日本と肩を並べるようになった背景には、在日同胞の寄与が大きい。今後も日本国籍同胞、総連同胞、ニューカマー同胞も包含して、海外700万同胞の兄貴分としての活躍を期待する」と激励した。
続いて鄭夢周事務総長がプロジェクターを使用し、「内外情勢と当面課題」を講義した。9月から始まった集中活動を踏まえ、支団長の役割について「権益擁護の推進者であり、同胞の意見を代弁し、要求・要望を実現していくリーダーである」と強調した。河政男組織局長は全国313支部の共通課題を「財政・人材・後継者不足の克服」であると前置きし、「支部の実情も条件も違う。一朝一夕には解決できないが、支部を活性化していくのがウリチャラン運動だ」と強調した。
ウリ支部ウリチャラン運動の報告は、「戸別訪問・人材育成・国際交流・地域奉仕」、「会館活用・オリニ事業」、「高齢者福祉」の3つに分け、活動を紹介するVTR上映の後、支団長から報告を受けた。
質疑では、韓国語講座に関連、案内を行政の広報紙に掲載することで受講生が飛躍的に伸びたり、国際交流の大義名分が認められて自治体の支援を得た実例が紹介された。また、団費徴収の問題では、専任者の活用と徹底した戸別訪問で改善が図られた例や、福祉事業によって高齢者を抱える同胞の心情をつかんで理解が得られた点が注目を浴びた。行政に対しては、地道な交渉の積み重ねがデイサービスの門戸を開いた例や、住民サービスの趣旨に則っていれば、行政支援の可能性があるとの指摘もあった。
26日は後半期の重点事業である「歴史教科書問題」、「地方参政権と住民投票」、「無年金問題」への対応について担当局長が講義した。
交流会のまとめとなった中央3機関長との対話では、ニューカマーの定住化にともなう民団加入について青写真が必要だと求める声、国籍条項問題について、大阪の守口市では消防職も撤廃されているとの報告、また、支団長交流会の継続開催に加え、来年の愛知万博コリアデーに全員参加を、との要望もあがった。
(2004.12.1 民団新聞)