掲載日 : [2005-02-02] 照会数 : 7502
<国籍条項訴訟>運動継続へ決意新た 支援者らの声
時代錯誤の判決 山田貴夫さん(川崎市職員)
川崎市役所に入所して33年たつが、これまで外国人が担当して問題のあると思えるような職場・職種はどこにもなかった。私の友人の経験した職場でも国籍がネックになるというところはなかったという。
公務員は法律・条例、また各種の審査基準や認定基準に基づいて職務を遂行している。公権力の行使も職務上の権限であり、国籍は関係ない。市民自治と分権の時代に逆行する時代錯誤の判決だと思う。
7年の空白なぜ 孫敏男さん(川西市教委副主幹)
審議されずに7年間も経過していたと聞く。この空白期間はいったいなんだったのでしょう。
「公権力行使」だといわれていた地方公共団体の仕事がどんどん民間委託されている時代に、「仲間はずれ」にされたようで寂しい気持ちです。鄭香均さんには私のあとに続いてほしいと願っていた。本当にいたたまれない気持ち。
過ぎた国民中心 近藤敦さん(九州産業大学教授)
憲法の国民主権原理から「地方公共団体による統治の在り方については…国民が最終的な責任を負うべき」として外国人が「公権力行使等地方公務員」に就任することは「想定するところではない」という。
しかし、法令の定めなしに国民主権原理から公務員の国籍要件を導く他国の例を知らない。国民主権原理を定めていても管理職就任を認める国は多く、日本の最高裁の自国民中心主義は顕著である。
ただし、この「想定の法理」は自治体の裁量による管理職任用の「禁止」を意味するものでないので多文化共生を推進する流れを自治体は止める必要はない。
明確な判断忌避 朴鐘碩さん(「外国人のへの差別を許すな・川崎連絡会議」事務局長)
最高裁は明確な判断を避けた。「敗訴」になったが、判決文は「上告人(都知事)の執った措置は外国人である職員に対し違法な差別」「労働基準法3条の規定に反する違法なものである」と鄭香均さんの主張を認める意見を半分以上割いて詳述している。川崎市が職務・昇進を制限する理由とした「当然の法理」にも触れていない。要は、外国籍職員の処遇に関して、制限するのであれば、理由・根拠を明確にして各自治体で判断しろ、ということだ。
(2005.2.2 民団新聞)