掲載日 : [2005-02-16] 照会数 : 7104
金剛学園入学希望者増える 20年ぶり定員に肉迫(05.2.16)
沈滞ムード一掃へ教職員一致結束
【大阪】金剛学園(郭昌坤理事長、姜森校長)に久しぶりに活気が戻ってきた。沈滞ムードを一新しようと教職員28人が一致結束、昨年初めから生徒募集に駆けずり回ってきた成果が出た。05年度の入学希望者は小・中・高校とも定員に迫る勢いを見せている。一条校でありながら公立高校にはない工夫を凝らしたカリキュラム構成も改めて見直されたかっこうだ。
14日現在の入学希望者は高等学校が併願8人・専願27人合わせて35人、中学校30人、小学校30人の計95人。2月のこの時点で100人近い入学希望者を確保できたのは20年ぶりではないかと同校関係者は話している。定員は各40人だが、4月1日までに全体で100人の新規入学者を確保したい意向だ。
05年度の生徒募集にあたっては、小・中・高校の教職員28人が手分けして大阪府内はもとより奈良市、和歌山県内の一部など合わせて400校を対象に延べ3回にわたる学校訪問を繰り返してきた。
説明を受けた学校側は韓国系の民族学校とあってか、初めは一様に半信半疑の様子を見せたという。だが、金剛の教職員には「授業のカリキュラムは教職員が何度も何度も話し合って作ったので自信があった」。2回、3回と学校訪問を重ね、学校見学も要請した。
決め手となったのは、カリキュラムは公立学校に準じながら、少人数による習熟度別編成といったキメ細かな学習指導を行っていること。日本国内の短大・専門学校の指定推薦校の枠も広く、進路に不安はない。テコンドー部などの見学に訪れた日本人教師たちの多くは「授業カリキュラムが高度で、生徒も礼儀正しい。伸び伸びとして明るかった」と好印象を抱いている。日本の学校にはない韓国の文化、歴史の学習についても韓流の影響か、障害にはなっていない。「国際理解教育につながる」と肯定的に受け止める声のほうが多いようだ。
金剛学園のこれまでの生徒募集は、地元の西成区と生野区など、同胞集住地区に偏重していた。思うように生徒が集まらず、危機感を抱いた教職員は昨年1月、数人で近隣の学校を回った。このとき1人が積極的に入学してくれたことで自信につながった。
姜校長は「学生が学校に来るのを待っていただけだったのが、今度は学生を探しに活動したことが多数の生徒確保につながった」と話している。
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京都国際でも
【京都】京都国際学園京都国際中・高等学校(李愚京理事長、李虎雄校長)も高校硬式野球部の活躍でじわり生徒数が上向いている。
新年度入学予定者は14日現在、中学校で23人、高校が中学校から進級してきた5人を合わせ34人だった。高校入学予定者34人のうち、約6割は野球部を志望している。李校長は「4月1日になれば新入生は最終的に60人にいくだろう。私の知る限りここ12、13年で最高の数字」と話している。
(2005.2.16 民団新聞)