掲載日 : [2005-03-30] 照会数 : 8610
愛媛・「つくる会」教科書の採択は違法(05.3.30)
県立教諭らが提訴
愛媛県教委の採択経緯に違法性
【愛媛】愛媛県教育委員会が02年度用中学歴史教科書として扶桑社版の『新しい歴史教科書』を採択する経緯に違法性があったとして、県内の現職教員ら2人が、県知事や教育委員会を相手取り採択の取り消しと慰謝料を求める訴えを21日までに松山地裁に起こした。
訴状によれば、県教委が県立ろう学校および養護学校用に「つくる会」教科書を採択したのは、加戸守行県知事が「この教科書がベスト」と公言するなどして影響力を行使したためと指摘、政治権力が教育に介入することを禁じた教育基本法第10条に違反するとしている。
つくる会教科書が採択されたのは01年8月8日の教育委員会だった。吉野内直光教育長が教育委員会の事務局案として提示し、各委員の了承を受けた。吉野内教育長は加戸県知事と同席した01年8月16日の定例記者会見の席上、「(知事の)影響力というものは私自身の気持ちの中にありました」と認めている。
松山地裁では現職教員に先だって、県内外の市民グループや在日韓国人らが原告となって同様の訴えを起こしている。
韓国国会議員や大学教授も提訴
このほか、02年の中高一貫校での「つくる会」教科書採択問題でも、韓国の国会議員や中国の大学教授ら260人が、加戸加戸知事や県教委に対し慰謝料と謝罪を求め30日にも提訴する。原告団を支援する「えひめ教科書裁判を支える会」が24日、明らかにした。
訴えによれば、「つくる会」主導の教科書は日本の植民地支配や中国などへの侵略を美化しており、原告の体験や歴史を歪曲して書かれ、広められたことで、名誉を傷つけられたとしている。
(2005.03.30 民団新聞)