掲載日 : [2005-04-27] 照会数 : 5844
ウトロ地区…韓国国会議員が初視察(05.04.27)
[ かつての飯場跡、集会場で住民から窮状を聞く国会議員団(右) ]
韓国から4人、住民から事情聴取
【京都】不法占拠を理由に立ち退きを迫られている65世帯約200人の同胞が暮らす京都府宇治市伊勢田町の通称ウトロ地区に23日、韓国から超党派の国会議員4人を含む12人の調査団が入り、住民から実情を聞いた。国会議員の視察は初めて。全員、「日帝強占下強制動員被害真相糾明委員会」に所属している。
集会所での懇談会で住民側は「突然の立ち退きを迫られているが、特殊な歴史的な背景を背負って60年も住んでおり、ここが故郷です。ウトロを出る気持ちはありません」「たとえここを出て行けといわれても、行くところがない。いつまでもここで住み続けたい。力を貸してほしい」と口々に訴えた。
国会議員団は議員14人が集まって「ウトロを考える国会議員の会」を最近発足させたことを明らかにし、「皆さんの窮状をまとめ、解決に向けて国会と大統領官邸に請願書を出します。ウトロの問題は韓日両国の問題です」と述べた。この後、国会議員の1人が駐大阪総領事館の金庚壽領事を伴って宇治市役所で川端修副市長と面談、高齢者対策、今後の韓日共同調査の取り組みなどについて話し合った。
ウトロ地区は第2次大戦中に「京都飛行場」建設に携わった同胞が集まり、飯場を形成。解放後も行き場のないまま劣悪な環境のなかで住み着いた。居住権をめぐる裁判では住民側が敗訴した。
(2005.04.27 民団新聞)