掲載日 : [2005-04-27] 照会数 : 9913
日本人歌手Nanaさんが韓国デビュー(05.04.27)
[ 国境や政治を越え歌声が人気を呼ぶNanaさん
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<青年会も協力>韓国への思い歌声に込めて…
韓国の音楽サイトに登場…若者ら競って応援メール
日本人歌手のNanaさん(22)がこのほど、韓国の音楽界からデビューした。独島問題と教科書問題で韓日関係が冷え込むなか、政治や国境の壁を越え、神秘的で力強い歌声で韓国の若者を魅了、人気を呼んでいる。
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まず4曲を配信
1998年に在日韓国青年会が作った韓日W杯の応援ソングを歌ったのをきっかけにプロ志向になった。韓国音楽のイベントで活動したり、韓国でのオーディションに韓国語で挑んだりしたかいあって、韓国のプロデューサーに認められ、デビューを勝ち取った。
今回発表した楽曲は、日本で大ヒットした一青窈(ひととよう)の「もらい泣き」のカバー曲「フノニ」(誰かを懐かしみ憧れるという意味の韓国語)を中心に4曲。「フノニ」はアルバムのタイトルにもなっている。ほかの3曲は韓国風のバラード「ビョク」「アンニョンイニカ」と、演歌の「トンギョンシンサ」。
オンラインで配信するデジタル楽曲として韓国の大手音楽サイト「ジュークオン」(http://music.jukeon.com)で公開された。「フノニ」は公開されるやいなや、同サイトの最新曲の中で1位を記録。ダウンロードも3万件に及んでいる。NHKの番組「お元気ですか日本列島」に出演(4月15日)し、在日青年会の協力を得ていることにも触れた。
ファンからは同サイトに「歌がすごくうまい」「友達がいいというので聴いたが、本当にいい歌だ」「東洋的、神秘的でいい」「日本人だということが信じられないくらい発音がいい」などと賞賛の声が続々と寄せられている。
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「韓国は兄の国」
また最近の政治情勢を反映して、「政治がどのような状況にあっても文化の交流は続けなければいけないと思います。本物のアーティストとして韓国で活躍してください」などと、独島・教科書問題とは切り離して純粋に応援しているメッセージも多い。
韓日関係については、関係悪化に心を痛め、自身のホームページに「韓国は兄の国で文化の大恩人だ」などの意見を載せた。文章は韓国の国内紙や大手ポータルサイトなどで紹介され話題となり、ホームページには応援メールや書き込みが増えた。
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8年の韓国語学習
この文章は、時流を利用するために書いたものではない。父親の影響で民団の韓国語教室に通い始めてから8年。韓国留学を体験したり、在日韓国青年会が作った韓日W杯の応援ソングを歌ったりと、韓国を愛し常に韓国とともに歩んできた。 ファンも増え、「韓国人に愛される歌手になる」という夢も叶いつつあるように思えるが、Nanaさんは「応援してくれる人ができたといってもまだまだ。これから韓国でしっかりと歌を歌っていきます」とおごらず、着実に先を見据えている。
(2005.04.27 民団新聞)