掲載日 : [2005-05-25] 照会数 : 5342
「戦後60年」…遺骨調査へ全国ネット
[ 真相究明や遺骨調査などをテーマに話しあう「戦後60年」国際集会分科会の参加者たち
]
「戦後60年」追悼、補償 視野に
「真相究明委」とも連携
太平洋戦争当時の韓国人や中国人の強制動員・強制労働の実態調査、及び遺骨の収集・返還などに取り組んできた日本人の学者や研究者らが7月、東京で「強制動員真相究明ネットワーク」(準備会共同代表、飛田雄一・上杉聡・内海愛子)を発足させる。正式発足後は韓国政府「日帝強制占領下強制動員真相究明委員会」とも連携、日本での調査や遺骨収集を支援していく。
各市民団体…7月に結成会
韓国ではすでに「真相究明委」(全基浩委員長)が発足し、満州事変から太平洋戦争に至る時期の強制動員被害の真相調査と関連した国内外の資料集め、遺体と遺骨の収集と奉還、および犠牲者と遺族を特定する作業が2月から始まった。
「真相究明ネット」では韓国の真相究明委と連携しつつ、国や企業が行った加害事実の資料を収集したり被害者の裁判支援に取り組んできた全国各地の市民グループをネットで結び、情報の共有を図る。いずれは集約された資料を保管・展示する場も設けたい考えだ。
遺骨収集では日本政府が、徴用にかかわった企業100社に加えて、全国の寺院と自治体にも調査を伸ばしており、韓国政府の取り組みに呼応した官民一体の協力関係が整うことになる。なかでも自治体が保管しているとみられる火葬・埋葬認可証は、遺族探しのための貴重な手がかりになるものとみられている。
北海道で30年間、徴用韓国人の遺骨調査と奉還運動に取り組んでいる浄土真宗僧侶で、真相究明ネットの呼びかけ人でもある殿平善彦さん=北海道朱鞠内=は、「遺骨調査にあたっては一刻も早く遺族を探しだし、追悼と補償を含めて責任ある態度でお返ししなければならない。遺族の悲しみと向かい合うデリケートな仕事であり、歴史を再び繰り返させない教育的配慮も求められる。遺骨を返せば済むという問題ではない」と話している。
真相究明ネットの結成会は7月18日、午後1時半から在日韓国YMCAで開く。同準備委員会では運動の幅を広げるため、会員を募っている。入会金は個人1口5000円以上、同じく団体は1万円以上。
問い合わせメールはkyumei@nifty.com.まで。
(2005.05.25 民団新聞)