掲載日 : [2005-06-08] 照会数 : 4174
身障の長男背負い送迎12年…海より深い母の愛
[ 孫桂月さん ]
ソウル大に合格さす
重度の障害を抱えて自力で通学困難な長男を12年間、休まず背負って学校へ送り迎えした韓国版〞肝っ玉母さん〟が国内で話題になっている。
話題のお母さんはソウル市内に住む孫桂月さん(49)。孫さんの長男、真浩さんは生後間もなく脳性麻痺を患った。歩行はもちろんのこと1人ではトイレにも行けない。孫さんは朝晩の送迎時以外にも学校に足を運び、真浩さんの身の回りの世話にあたった。
試練はさらに続いた。10年前、孫さんは陸軍准将だった最愛の夫に先立たれて、毎月の報勲年金と軍人年金だけを頼りとする心細い日々が続いた。真浩さんが中学3年の時には、肝臓の半分を腫瘍で覆われる病気にも襲われた。それでも、体重の重くなった長男を背負って学校と自宅の間を往復した。
母親の愛情を一身に受けて育った長男は、このほどソウル大成高校を首席で卒業、ソウル大学コンピュータ工学部に入学した。03年には「21世紀を率いる優秀人材」に選ばれ、「大統領賞」を受けた。現在はソウル大の家族寮に入り、登下校時には大学の障害者センターの出す車を利用している。
孫さんはいま、骨粗しょう症にかかり、血圧も高い。腰にはいつも湿布薬を貼っている。孫さんは「息子が独立するのを見届けるまでは、病気になりたくてもなれません」と話している。
(2005.06.08 民団新聞)