掲載日 : [2005-06-08] 照会数 : 6199
無年金問題…救済を一刻も早く
訴訟棄却で民団が談話
国民年金法の国籍条項撤廃後もなんら経過措置を講じなかったのは、憲法における法の下の平等や生存権、また国際人権規約等の内外人平等原則に違反するとして、旧植民地出身高齢者が国家賠償等を求めた初の裁判で、大阪地裁は原告の訴えを棄却した。民団の李鐘太民生局長は5月25日、地裁判決を受け、談話を発表した。要旨次の通り。
現在79歳以上の在日高齢者は、日本の植民地支配による苦労を最も受けた世代であり、戦後も日本社会の中で差別され、多くは劣悪な環境に追いやられてきた。「老齢福祉年金」からも排除されている。
本団は、国民年金法の改正を日本政府・国会に訴え、地方自治体に対して「法改正による年金受給」が実現するまでの暫定救済措置として、無年金高齢者に対する特別給付金支給制度の実施・拡大等の要望活動を展開、その結果、770以上の自治体が特別給付金を支給するまでになった。
全国知事会、全国市長会、全国国民年金協議会などは、毎年のように無年金外国人高齢者の早期救済のための国民年金法の改正等を政府に対して要望している。「内外人平等」原則に立脚し、一刻も早く関係法を改正して制度的救済措置を講じるよう日本政府および国会に強く望むものである。
(2005.06.08 民団新聞)