掲載日 : [2005-07-06] 照会数 : 7155
<投稿>韓日間の草の根交流中断を憂う
相互理解の芽摘むな
崔燕佑(民団秋田県本部事務局長)
先日、大潟村子供海外研修事業検討委員会の関係者から民団に電話があり、今年の大潟村中学校と韓国の群山市臨陂中学校との交流事業は中止になったとのことであった。理由は、独島や教科書問題で韓国の反発が高まり、日本の子供にいやな思いをさせるかもしれない、また、政府の方からも日本との交流を控えるようにとの指示があったという。
秋田県でも韓国との市民交流が中止になったのはこれまで何件かあるが、私が関係しているだけでも3件ある。ひとつは秋田美術作家協会とソウル松坡美術家協会の交流、また秋田花と風のまちネット主催の桜の植樹に群山市から桜の苗木を移植する交流、それと今回の大潟村中学校の件。この3件はすべて韓国側からの中止である。
韓国と比較的交流が少ない秋田県でもこのくらいであるから、全国での交流中止はとても多いことと推測される。どの交流にしても韓日間の大事なつながりであり、多くの人々の協力があってのもの。その協力の中で芽生えた感情があり、その感情は韓日間の未来にとって大事にしなければならないもののはずだ。
大潟村中学校と臨陂中学校との交流は今年で4年目になり、年1回学生が韓国と日本を相互訪問しており、友情が深まっている。民団新聞でも紹介されたように大潟村中学では「韓国併合」という特別授業が行われ、私も参加してお手伝いした。韓国側からの視点で考えるもので、とても感銘を受けた内容だった。
こうした授業は韓日間の相互交流がなければ思いもよらないことで、交流の意義は大きい。このような交流を中断していいわけがない。
秋田には最近、韓国からゴルフや温泉を目的とする観光客が増えているが、真の韓日交流を考えている人々が交流できないのはおかしい。韓国側の再考を求めたい。
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(2005.07.06 民団新聞)