掲載日 : [2005-07-27] 照会数 : 9099
韓日姉妹都市…交流再開まず10市町
「竹島の日」以降 民団の努力も
島根県による「竹島の日」条例制定や歴史教科書問題などで、春先から中断していた韓日両国間の姉妹都市交流事業が、ようやく復活の兆しを見せている。共同通信社の調べでは3月末現在で26県市町に影響が及んでいたが、本紙調査で22日までに10市町で再開、ないしは再開の方向性が確認された。
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交流中断の多くは韓国側が自国の国民感情に配慮し、一時的に保留せざるを得なかったケースが多い。日本側も韓国側をおもんばかってか「相手側があってのもの」(武蔵野市)、「風向きの変わるのを待つしかない」(神奈川県湯河原町)と表向きは静観の構えを示してきた。
埼玉県所沢市では安養市側から送られてくる手紙を見て「かたくなな感じは薄らいできている。文面が柔らかくなってきている」と早期の交流再開に期待感をにじませている。なかには、「竹島の領有権は国と国が話しあう問題。都市どうしの交流は別問題」(済州市と姉妹都市の和歌山市国際交流課の話)といった戸惑いの声も聞かれる。
鳥取市と清州市は今年が姉妹提携15周年。両市は春先から数多くの交流事業を準備していたが、中断に追い込まれた。両市の間を取り持ったのが民団鳥取県本部(薛幸夫団長)だった。
薛団長は竹内功鳥取市長の意を受けて5月に韓大洙市長と面談し、交流再開の約束を取りつけた。準備不足で計画の一部は延期、ないしは中止に追い込まれたが、25日からの中学生友好親善交流は予定どおり実現。
こうした交流復活の背景には、根源に歴史認識の問題があると竹内市長を説得し、「市長として韓国の理解を得ることができるよう最大限の努力をする」とのメッセージを引き出した薛団長の努力も見逃せない。
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韓日の自治体交流 復活が確認されたケース
◆地域 : 日本側:韓国側 : 改善の状況
新潟 : 新発田市:議政府市 : 6月にスポーツ交流の事前協議再開
岐阜 : 各務原市:春川市 : まず中学生スポーツ交流から復活へ
滋賀 : 近江八幡市:密陽市 : 10月後半に中学生の訪韓受け入れ
鳥取 : 鳥取市:清州市 : 25日から実施の中学生友好親善交流を皮切りに交流
鳥取 : 智頭町:揚口郡 : 中学生の青少年交流事業皮切りに再開
島根 : 安来市:密陽市 : 8月「月の輪まつり」に密陽市長が訪日へ
山口 : 防府市:春川市 : 春川市から陸上競技再開を示唆する手紙到着
香川 : 高瀬町:陝川市 : 7月から中学生相互訪問が再開
福岡 : 宗像市:金海市 : 秋からの交流行事は通常通り
福岡 : 赤池町:泗川市 : 10月に町から公式訪問
(2005.07.27 民団新聞)