掲載日 : [2005-09-07] 照会数 : 9404
「参政権」追い込む…全国団長会議
[ 在日同胞の指導母体としての役割強化を確認した民団全国団長・傘下団体長会議=2日、中央会館 ]
「つくる会」教科書阻止、底力見せる
組織鍛え創団60年を…後半期事業を確認
民団中央本部は2日、中央会館で全国地方団長・中央傘下団体長会議を開き、今年度前半期の活動を総括し、後半期の重点事業を示達した。この秋韓国で開催する第30回望郷祭や「在日100年」写真展など、一連の歴史的な民団行事を成功させ、「在日韓人歴史資料館」を11月にオープンさせるとともに、在韓永住外国人の地方選挙権立法を追い風に地方参政権獲得運動をテコ入れし、合わせて来年10月の民団創立60周年に万全の構えで臨むことを確認した。
(教科書問題の記事は別掲有り)
金宰淑団長はあいさつでまず、「新しい歴史教科書つくる会」主導の扶桑社版歴史教科書の採択率を0・4%前後に押さえ込んだことに言及、「歴史歪曲を断固許さないとする民団の底力と、日本の良識ある市民団体や本国の市民団体の一致協力がもたらした成果」と高く評価し、日・韓の市民団体に謝意を表明した。
光復60周年を期した朝鮮総連との共同行事では、「中央レベルでは実現しなかったものの、京都、山口、大阪で合同祝祭の形で結実した。総連との和合と交流が同胞社会の流れであることの証左だ」との認識を示し、「これをより加速して行こう」と呼びかけた。
また、祖国統一推進について、「全民族的な課題であり、特定の政治・宗教団体の勢力拡張に利用されてはならない」と指摘、「本国政府の『平和繁栄政策』を基本に、民団に結集・団結すべきだ」と強調した。
金団長は最後に、創団60周年事業を取り上げ、「在日同胞の指導母体として、21世紀の時代条件に対応した、新たな発展への踏み台になるよう準備しよう」と訴えた。
羅鍾一大使もあいさつで歴史教科書問題に触れ、「過去の歴史を直視し、不幸な歴史を真摯に反省することで、韓日両国に真の未来志向関係が構築される」と述べ、韓日の架け橋的役割を担う民団の重要性を強調した。また、祖国の平和統一問題についても、「本国に先駆けるよう、総連との和合を牽引してほしい」と要望した。
会議では後半期の重点事業として、まず地方参政権運動を挙げた。民団は11日の日本衆議院選挙の結果を踏まえ、地方選挙権法案の再上程とともに、11月の臨時国会に照準を合わせて政令指定都市を中心に世論喚起を図っていく。
第一弾として、日・韓・在日参政権ネットと連携して大阪でシンポジウムを開く予定だ。また、9月と12月の地方議会会期中に、いまだ意見書を採択していない11県議会に要望活動を展開する。
歴史認識問題に関連した事業では、教科書問題の報告会を7日、韓国国会議員会館で開催した後、「在日100年」と「民団60年」の歴史を本国同胞とともに顧みる試みとして10月4日から15日まで、ソウル・プレスセンターで写真展を開催する。
そのほか、来年の創団60周年を前に、組織活性化120日運動の推進、創団60年史の発刊などの記念事業を行うことを決め、中央団長を会長とする実行委員会がその準備を進めることにした。
また、世界平和超宗教超国家連合の下で昨年11月以降、さまざまな動きを見せている「平和統一連合」に関連し、▼民団幹部、職員のいかなる統一運動体との兼職を禁止 ▼「平和統一連合」への勧誘及び参加禁止 ▼「平和統一連合」の主催行事に民団名称使用禁止など、民団の基本姿勢を改めて示した。
会議の最後に金団長は、米国ルイジアナ州などを襲ったハリケーンによって、在米同胞にも被害が出ていることを受け、海外韓民族代表者会議の会長団体として支援することを提案、満場一致で承認された。
(2005.09.07 民団新聞)