掲載日 : [2005-09-07] 照会数 : 6107
米ハリケーン、コリアタウンに大被害
[ 一瞬にして水に浸ったニューオーリンズ。コリアタウンを中心に2500人ほどの韓国人が生活の危機にさらされている ]
韓国政府、3千万ドル支援へ
米国史上最大の被害をもたらすと見られる超大型ハリケーン「カトリーナ」。その被害地でもっとも大きい米南部ルイジアナ州ニューオーリンズは、海面より低いため堤防の決壊により都市全体が水につかり、コリアタウンの住宅・商店街も完全に浸水した。水が引くのに少なくとも80日はかかると見られている。
州都バトンルージュ市に避難している州韓人会のチョン・テイル会長は8月31日、連合ニュースとの電話で「2500人余にのぼる韓国人の大半が密集しているニューオーリンズ付近のメタイリー地域とケナー地域が、2㍍近くも水に浸っており、同胞が生活基盤を失う危機に置かれている」と語った。
同胞の多くは、クリーニングや美容、清掃などの自営業に従事しているため、浸水による被害は時間の経過とともに増すものと見られる。
テキサス州ヒューストン駐在の閔東石総領事は、「橋は崩壊し、高速道路も寸断され、通信手段も途絶え、現場の実状を知ることは不可能。韓国人のほとんどは強制避難命令によって避難したと見られるが、復旧にはかなりの時間がかかりそうだ」とお手上げのようだ。
在米韓国人200万人を代表する米州韓人会総連合会(金永満会長)は、同胞を対象にした救援募金キャンペーンに乗り出した。ロサンゼルスやニューヨーク、ワシントンなど大都市の同胞多住地域を中心に募金活動を展開する。また、ロサンゼルスのラジオコリアなどの放送局も募金キャンペーンを呼びかける。救援募金はヒューストンの韓国総領事館が窓口になる予定だ。
一方、韓国政府は4日、ハリケーン被害復旧を支援するため、米国の要請があれば兵力と装備を送ることを決めた。首相公邸で外交通商部や行政自治部、保健福祉部、国防部などの関係省庁長官らが出席して決めたもの。
支援額は民間と合同で3000万㌦を予定している。まず韓国政府が支援金として予備費500万㌦を策定し、残りは民間募金でまかなう計画だ。このうち2000万㌦は米国に進出した韓国企業が助成する。
人道支援の派遣は国会の同意なしに推進することができるため、ルイジアナ州ニューオーリンズの治安維持に工兵隊を中心に編成することを検討している。
また、119中央救助隊傘下の国際救助隊30人余りをニューオーリンズ地域に緊急派遣し、赤十字社を通じて救護物品や医療装備を迅速に支援する方針だ。
現地では松葉杖や車いすといった医療器具、毛布、寝袋、おむつなどが緊急に必要であるとされている。
(2005.09.07 民団新聞)