掲載日 : [2008-02-06] 照会数 : 14159
<地方参政権>早期付与へ動き 民主が推進議連
[ 「推進議連」発足式であいさつする事務局長の川上義博参院議員 ]
永住外国人への地方参政権付与をめざす「在日韓国人をはじめとする永住外国人住民の法的地位向上を推進する議員連盟」が1月30日、民主党内に発足した。会長に選ばれた岡田克也副代表は「この問題は党の長年の課題であり、悲願でもある。多様性、多様な価値を認める国であることを示す象徴になる」と強調、立法化への決意を表明した。連立与党・公明党提出の「付与法案」は継続審議となっており、地方参政権問題があらためてクローズアップされている。
連立与党の公明も「歓迎」
「在日韓国人をはじめとする永住外国人住民が地域社会の住民として長年にわたり要望してきた永住外国人への地方参政権の付与のあり方を検討し、所要の法整備を推進する」ことを目的とする民主党の推進議連には岡田副代表、鳩山由紀夫幹事長、前原誠司副代表をはじめ衆参議員65人(衆院29人、参院36人)が参加している。
会長の岡田副代表は「党として法案提出にもっていくのが使命だ」と表明。今後、法案を作成し、今国会に提出していくことを確認した。
一方、党内の反対・慎重派議員が同日、発足させた「永住外国人の地方参政権を慎重に考える勉強会」には議員本人22人(衆院)を含む衆参46人が名を連ねた。代表世話人となった渡部恒三最高顧問は「党内にヒビが入ることはないよう、最後は挙党一致であたる」とあいさつした。
「悲願達成を」 議連の岡田会長
民主党は結党時の「基本政策」に「定住外国人の地方参政権などを早期に実現する」と掲げており、これに基づき2000年7月に永住外国人に地方参政権を付与する法案を国会に提出している。
鳩山幹事長は21日の衆院本会議での代表質問で「永住外国人の地方参政権はすでに韓国に先を越されたではないか」と述べ、日本も早く実現すべきとの姿勢を強調した。
小沢一郎代表は翌22日の定例記者会見で「地方参政権については、ずっと以前から認めるべきだと主張してきた。旧来の支持者から『おかしい』と叱られたこともあったが、いろいろな切り口から考えても、結論は変わらない」と強調し、早期実現をめざす考えを明らかにした。
こうした民主党の動きについて、98年以来、6回も地方参政権付与法案を国会に提出している公明党も「歓迎」している。公明党は99年の自民党との連立にあたり「地方参政権付与」を「与党3党合意」に盛り込んでいる。
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自民の協力期待 法案継続審議の公明
公明党の北側一雄幹事長は23日の記者会見で、「ぜひ党内をまとめ、提出してもらいたい。私としては歓迎だ。政局の道具に使うのではなく、政策論の観点から早く成立できるよう期待している」と評価。「自民党にも理解いただけるようお願いしたい」と、今国会での成立に向け、自民党の協力に期待を表明した。
太田昭宏代表も25日の記者会見で「衆院に、われわれが出した法案が継続されている」とし、同党の法案に対する修正案を示すか、賛成する方向で民主党内がまとまることに期待を表明。「政局にすべきではなく、多くの党、議員の賛成によっていくことが望ましい」と強調した。
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「一刻も早く」 共産党委員長
日本共産党の志位和夫委員長は24日の記者会見で、民主党の「永住外国人地方参政権付与」推進について、「党派を超えて一刻も早く一歩を踏み出すということが大事だ」と表明した。同時に「永住外国人地方参政権」については、日本共産党が選挙権・被選挙権ともに保障されるべきだと早くから主張し、法案も3回提出してきたことを紹介。
「地方自治は地域の住民の声を反映して政治を行うというのが憲法上の大原則。そこから永住外国人を除外する根拠はない」と強調。民主党が調整している案について「内容をよく吟味したいが、選挙権に限ったものであっても、一歩前進ではあるので、方向性としては賛同しうる」と明らかにしている。
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「早期立法化を」8日に院内集会 青年会など共催
「韓国に続いて日本でも永住外国人の地方参政権を求める院内討論会・集会」が8日、参議院議員会館第一会議室で開かれる。集会では、①衆・参国会議員の発言②リレートーク(田中宏・龍谷大学教授、江橋崇・法政大学教授ほか)③韓国からのメッセージ朗読などが行われる。
在日韓国青年会中央本部、定住外国人の地方参政権を実現させる日・韓・在日ネットワーク、フォーラム平和・人権・環境、民団地方参政権獲得専門委員会が共催。多くの人々の参加を呼びかけている。
(2008.2.6 民団新聞)