掲載日 : [2008-02-28] 照会数 : 9167
国民一丸で「韓半島の神話」創出 李明博大統領
[ 就任式で宣誓する李明博・第17代大統領 ]
今年を先進化元年に
経済の再生へ実利優先
【ソウル】李明博大統領(66)は25日、国会議事堂前広場での就任式に臨み、第17代大統領に正式に就任した。李大統領は「先進化の道、皆でともに開こう」と題した就任辞で建国60年の今年を「韓国先進化元年」と位置づけた。同時に5大国政方向として①国民に仕える政府②経済発展および社会統合③文化暢達と科学技術発展④堅固な安保と平和統一基盤造成⑤国際社会の責任ある一員として人類共栄に貢献−−を提示した。就任式には国内外貴賓と国民・海外同胞代表ら約5万人が参加。鄭進団長ら中央3機関長など在日代表7人は壇上の貴賓席に参列した。
対北 核放棄なら協力拡大
李大統領は、新たな国家目標として「一流先進国家」を掲げ、「産業化と民主化の結実を大切に育て、各自が自らの役割を果たし、公共の福利のために協力する社会、豊かさと配慮と品格の満ちた国に向けた荘厳な出発を宣言する」と強調。「私たちは『理念の時代』を越えて『実用の時代』に進まねばならない」と力説した。
特に、李大統領は「次の60年の国運を左右する岐路で、この歴史的峠を越えるために、私は国民の皆がもっと積極的に変化することを要請する。難しく苦痛でも、もっと速く変わらなければならない。その方向は開放と自律、そして創意だ」と呼びかけた。
最重要課題のひとつである経済再生について「なによりも急務だ。新たな成長動力を確保し、もっと活気をもって成長し、より多くの雇用を創出するために、『小さな政府、大きな市場』で効率性を高める」と強調した。
南北関係については「南北関係は今までより、もっと生産的に発展しなければならない。理念の物差しでなく実用の物差しで解決していく」と強調。「『非核・開放3000構想』で明らかにしたように、北韓が核を放棄して開放の道を選べば南北協力に新しい地平が開かれる」と、北韓の核放棄を促した。同時に「国際社会と協力して、10年内に北韓住民の所得が3000㌦に達するように助力する。これがすなわち同族のためであり、統一を早める道だ」と訴えた。
さらに「南北の政治指導者はどのようにすれば7000万国民の生活を良くできるか、どのようにすれば互いに尊重しながら、統一の門を開けるのか、考えを交換しなければならぬ」とし、「こうしたことのためにならば、南北の首脳がいつでも会い胸襟を開いて話しあうべきだ。その機会は開かれている」と金正日国防委員長に決断を促した。
李大統領は新しい外交指標として「グローバル外交」を掲げ、「もっと広い視野、もっと能動的姿勢で国際社会と手を携えて交流する。民主主義と市場経済という人類共同の価値を尊重しながら、地球村の平和と発展に参加する」と強調した。
外交政策では対米関係の改善を最優先課題にあげ、同時にアジア諸国との連帯を重視し、「日本、中国、ロシアと等しく協力関係を強化して、東アジアの平和と共同繁栄を模索する」と述べた。
最後に「韓国を先進一流国家にするには政府だけの力では難しい。国民の皆が共に行動してほしい。私たちの時代的課題、韓国先進化に向けた大前進が始まった。漢江の奇跡を超えて、韓半島の新しい神話に向け、皆が共に出発しよう」と呼びかけた。
就任式には、盧武鉉前大統領、金大中・金泳三・全斗煥元大統領と3府の要人をはじめ、福田康夫日本首相、カリモフ・ウズベキスタン大統領、エンフバヤル・モンゴル大統領、フン・セン・カンボジア首相、ライス米国務長官、唐家璇・中国外交担当国務委員、ズプコフ・ロシア首相などの首脳たちが慶祝使節団として出席した。
(2008.2.27 民団新聞)