掲載日 : [2008-04-02] 照会数 : 6918
在日2世が支援の手 草津に共生センター開設
[ 草津市内にオープンしたセンター ]
[ 内覧会でこれからの抱負を述べる河代表 ]
近江渡来人倶楽部
新渡日外国人の居住、就労
【滋賀】滋賀県内でも新渡日の在日外国人が増えており、それにともないトラブルも目立つようになった。大津市で市民団体「近江渡来人倶楽部」を主宰する在日韓国人2世の河炳俊さん(60)が3月30日、草津市内に在日外国人の生活支援を行う「多文化共生支援センター」を開設した。開設前日の内覧会と記念公演には、前県知事で県国際協会会長の国松善次さん、草津市の橋川渉市長、地元自治会長ら関係者120人が出席した。
センターでは県内在住の外国人や留学生たちの居住支援や、就労相談にあたる。また、料理教室や言語講座、楽器講座、ダンスなどの講習会を通して、地元住民がさまざまな国の文化と肌でふれあえる場ともする。キャッチフレーズとして「パートナーシップ」「スキンシップ」「フレンドシップ」「カルチャーシップ」の4つを掲げている。
建物は元料亭だったところを河さんが私財を投じて買い取り、リフォームした。鉄骨モルタル造りの3階建て。1階が厨房と事務室。2階には2部屋の会議室、3階が大ホールとなっている。
河代表は、「私のモットーは『広げてみよう心の窓を、押してみよう交流の扉を』です。在日韓国人としてこれまで培ってきた経験を生かし、日本社会の中で日本人と外国人との懸け橋となって多文化共生社会のトップランナーになりたい」とあいさつした。
また、近江渡来人倶楽部の李文基副代表も「滋賀県では私たちが味わったような差別が二度と起こらないよう、在日韓国人の私たちが一緒になって支援をしていきます」と話した。
講演に立った国松県国際協会会長は「滋賀が多文化共生の実験場になってほしい。人に役立つ人を育てるのがセンターの役割。その応援団として支えていきます」と述べた。講演を聞いていた地元自治会の会長は、「この施設を使ってさっそく台湾・フイリッピン料理の講座を予定しています。自治会も一緒になって支援していきます」とエールを送った。
センターは草津市1丁目13番地12号、JR草津駅からは徒歩13分ほど。月・火が休館、午前10時から午後6時まで開館。各講座は夜9時まで。
(2008.4.2 民団新聞)