掲載日 : [2008-04-25] 照会数 : 10420
「近くて近い国へ」 李明博大統領テレビ出演
[ TBSテレビの番組に出演し、草剛さんら若者と話す李明博大統領 ]
日本の若者と対話
「両国の若い世代が歴史を乗り越え、未来に向けて進み、近くて近い国にしてほしい」−−李明博大統領は21日、TBSの「ニュース23スペシャル」に出演し、若者たちにエールを送った。
大統領はスタジオの100人の若者のほか、筑紫哲也さんが中継する京都の立命館大の学生らと対話した。
政治家になった動機について、「もともと政治家になる気持ちはなかったが、韓国社会では政治分野が遅れていたので、長年の企業経験、国際経験を生かしたいと考えるようになった。国家はいまや統治でなく、経営だ。民間人がより自由に活動できるようにするためには、企業経営の効率的手法が政治に役立つはずだとの思いを強くしたからだ」と説明した。
「大統領が目指す理想の政治とは」の質問には、「なぜ大統領になったのか。権力を得たいがためではなく、これまでの経験を生かしたいと考えたからだ。権力をもつ人間や富める者は自力で生きられるが、弱者はそうでない。大きな国にすることも重要だが、『あなたもできるのだ』と弱者に勇気を与え、幸せを感じることができる国をつくりたい」と語った。
韓国ではスーパーサラリーマンとしてテレビでもドラマ化されたが、成功の秘訣について聞かれると、「何をもって成功とするのか。ただ自分の任務にベストを尽くしてきた。小さな会社が成長したので、そのことを認めてくれたのだと思う」と答えた。
加害者は忘れるもの
大学受験生からの勉強方法や受験制度に関する質問には、「自分は昼は仕事しながら、夜に勉強した。自分の目標に向かって一生懸命努力するしかない。良い大学、良い成績だと社会で評価されるのとは別に、最善を尽くすことが大事だ」と強調した。
小さい時にパン菓子を売りながら生計を助けていたが、「今でも食べることはあるのか」には、「選挙の時に若い者が作っているのを見たとき、直接焼いてあげ、感謝されたことがあった」とエピソードを語った。
金潤玉夫人との結婚生活38年間について、「結婚記念日には必ずバラの花を贈っている」と述べ、「自分の誕生日だから忘れない」と笑わせた。ともに出演した夫人は「100点満点で95点」と夫を評価した。
北京五輪の開会式について、「五輪は平和のシンボル。隣国なので開会式には出席したい」との意向を示した。
韓日の歴史認識問題では、「小学生の時、私を殴った友人を覚えているが、その友人は殴ったことを忘れていた。加害者と被害者はそういうものではないか。政治家の一言が大きな影響を及ぼすので、相手を傷つけないよう配慮することが肝要だ」と訴えた。
韓国語で直接話しかけたSMAPの草剛さんは「隣に座っているだけで優しい人柄が伝わってきた。感激した」と感想を語った。
(2008.4.30 民団新聞)